世界貿易はこれまで、ほぼ全面的と呼べるほど海上輸送に依存してきた。

 運ばれる商品は半導体からスニーカー、電動式搾乳機に至るまで、世界貿易量の約9割を海上輸送に頼ってきているといわれる。

 ただ近年、大型のタンカーやコンテナ船が使用する「バンカー燃料」と呼ばれる汚泥のような燃料が問題になってきている。

(編集部注:バンカー燃料とは主に船舶用の燃料として用いられるA重油、B重油、C重油の総称で、A重油は不純物が少なく軽油に近い、B、C重油は硫黄などの不純物が多く含まれ粘度も高い)

 環境に配慮したビジネス慣行がなかば常識化している昨今、バンカー燃料は時代遅れと捉えられているのだ。

 というのも、バンカー燃料には硫黄分が多く含まれているため、燃やすと一酸化炭素、窒素化合物、二酸化硫黄を発生させるのだ。

 それでも海運業界がすぐに大型タンカーを捨てられない理由がある。

 それは輸送量が航空機などと比較すると圧倒的に優っているためだ。

 例えば、全長400メートルの巨大コンテナ船には約2万個のコンテナを積載できるため、すぐに他の輸送法に切り替えられない。

 しかし複数の海運大手はいま、風力エネルギーを利用した海上輸送を復活させようと模索している。

 風力と言えばすぐに帆船を思い浮かべられるかもしれない。

 地球をこれ以上破壊することなく、経済的に見合った形で世界中に商品を輸送する方法として、帆船は理想的といっていいはずだ。