(福島 香織:ジャーナリスト)

 2020年1月暮れに新型コロナ肺炎がアウトブレイク(感染拡大)して以来、香港を除いてかたくなに海外に出て行かず、引きこもり生活を続けてきた中国の習近平国家主席が、およそ2年8カ月ぶりについに外遊に出た。

 行先は中央アジア、カザフスタンとウズベキスタン。9月14日、まずカザフスタンを訪問し、トカエフ大統領と会談を行い、続いてウズベキスタンのサマルカンドで開かれる上海協力機構(SCO)サミットに15、16日に出席する。このサミットはロシアのプーチン大統領も出席する予定で、おそらくロシアによるウクライナ侵略戦争後、初めての中ロ首脳対面会談が開かれる見通しだ。

 国内外のチャイナウォッチャーたちが注目するのは、習近平が第20回党大会直前に外遊することの意味だ。

 習近平は8月の北戴河会議が終わったのちにサウジアラビアを訪問する予定が一部で報じられ、サウジアラビア側は「2017年5月のトランプ米大統領訪問以来、最も盛大な歓迎行事」を準備していたにもかかわらず、結局実現しなかった。これは党大会前に習近平が中国を離れるのが困難なほど、党内権力闘争が激しいからだろうとみられていた。

 ならば、今回、習近平が外遊に踏み切ったということは、権力闘争が一段落つき、習近平が総書記の3期目連任が固まり、目下の政治情勢に自信を持っているということの裏付けなのだろうか。それとも党内の権力闘争よりも、中国共産党として習近平がわざわざ自分で行かねばならない重要な問題が、国外にあるということなのか。その辺について、考えてみたい。