韓国電力公社の巨額赤字が、韓国のマクロ経済や金融市場、さらにメディア業界まで大きな波紋を広げている。

 2022年の年間赤字額は30兆ウォン(1円=9.5ウォン)前後に達する見通しだ。

 韓国電力は韓国政府や政府系金融機関が合わせて51%の株式を保有する公企業でありながら上場企業でもある。

 最近発表した1〜9月の決算はある程度予想されたとはいえ、その巨額の赤字額に改めて驚きの声が上がっている。

電力購入費が2倍に

 まず決算内容身を見てみよう。

 1〜9月の売上高は51兆7651億ウォンで前年同期比14.7%増だった。製造業の工場稼働率が高まったことや電気代の値上げで増収だった。

 問題は利益だ。

 韓国電力は、発電部門を分離している送配電会社だ。発電子会社や民間の発電会社から電力を購入してこれを事業者や家庭向けに販売する。

 これら「電力購入費」が30兆766億ウォンで前年同期比2倍に急騰してしまった。この結果、営業損益は、21兆8342億ウォンもの赤字になった。

 前年同期も赤字だったがその規模は1兆1240億ウォン。これでも相当の規模だと話題になったが、一気に20倍近くに膨れ上がった。

 赤字の原因ははっきりしている。「逆ザヤ」が生じているのだ。

 世界的なエネルギー価格の高騰、インフレ、ウクライナ戦争などが合わさって、1〜9月のトン当たりのLNG価格は132万5600ウォンで1年前の61万6400ウォンと比べて2倍となった。石炭価格は3倍になった。