世界大恐慌が始まっている。

 戦後初めて、米国の株式、不動産、国債などの債券、通貨ドル、つまり主なアセットクラスのすべてが大暴落するリスクが拡大している。

 米国発の大暴落が起きれば、世界市場の大暴落を誘発する。

 その時は、世界最大の純資産大国であり、巨額の国民資金の多くを米国を中心とした海外資産で運用している日本は、戦後最大の危機を迎える。

 どうすれば、日本は世界大恐慌に対して、防災、減災、避難できるのか。また、日本と世界の解決策は何か。

 こうした考察に基づき、GAMFAやテスラの株価が空前の暴騰を続けていた2020年11月に「21世紀型大恐慌」(PHP)を出版し、当コラムでも説明した。

(「21世紀型世界大恐慌の足音が聞こえる」https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/60311)

 当時は全くの少数派だった。

 しかし、新年1月3日の日経新聞「コメンテーターが読む2023年」には、「2023年は金融危機を覚悟すべき年だ」「世界インフレ」「大戦リスク隣り合わせに」という論説が並んだ。

 世界に何が起きているのだろうか。

コロナや戦争はきっかけにすぎない

 既に始まった世界危機の本質は2つ。

 一つは、1990年代以来のグローバリゼーションの崩壊により米国から世界市場が大暴落する危機。

 もう一つは1945年以来これまではその原型が維持されてきた世界秩序パクスアメリカーナ崩壊により高まる世界大戦の危機である。

 この2つの危機は連動して、米国発の大恐慌が第2次世界大戦に直結した戦前とよく似てくる。

グローバリゼーションの崩壊が続く

「米中経済同盟」(2007年出版)を中核としたグローバリゼーションは、中国を世界の工場とすることによって米国企業の製造コストを劇的に低下させ、利益を上昇させた。

 ゼロインフレはゼロ金利をもたらし、企業利益をさらに押し上げ株式の上昇をもたらした。

 米国による中国のデカプリングとは、この好循環の自己破壊を意味する。

 しかし、米中双方に「トロイの木馬のように」内在していた相互不信は今後さらに膨張し、グローバリゼーションの崩壊は続くから、世界のインフレは今後加速する。

 そして、ウクライナとの戦争を起こしたロシアへの制裁が長期化して、エネルギー価格の高騰と供給不足が続く。

 米国は冷戦時代に戻って同盟国と共に中国やロシアとの経済遮断を進めるから、世界の労働コストは上昇し、製品品質は低下し、サプライチェーンは分断され、インフレとモノや食糧の不足が続き、不景気になる。