髪を洗う際、男性の約半数は「シャンプーのみ使用」――。これは、ネットリサーチ会社DIMSDRIVEが2017年11月15日に発表した、3700人の男女を対象とした「『シャンプー・リンス』に関するアンケート」の結果だ。さらに同調査の別項目では、男性の「リンス(コンディショナー含む)」使用率は3割にも満たないとある。

このアンケートについてはJ-CASTトレンドでも2017年12月28日に紹介した。だが、記者はどうも気になっていた。髪のためには、男性もシャンプーだけではなくリンスやコンディショナーなども使った方がいいような気もする。そこで、専門家に話を聞いてみた。

シャンプーとリンスはセット、の必要はなかった

調べてみると、そもそもリンスやコンディショナー、トリートメントには公的な規格や定義がなく、メーカー間でも微妙に解釈は異なる。例えば、大手メーカー花王の製品Q&Aページ「リンスとコンディショナー、トリートメントの違いは?」では、

「一般に、リンスとコンディショナーはどちらも、主に髪の表面をなめらかにするものです。髪のすべりをよくすることで、キューティクルの傷みを防ぎ、パサつきにくくします」

と書かれている。髪にとっては意味があるようにも思えるが、これだけでは男性にも必要なのかどうか何とも言えない。

専門家の意見はどうだろう。J-CASTトレンド編集部が頭髪・頭皮の専門家である銀座総合美容クリニックの院長、正木健太郎医師に取材を行ったところ、次のように話してくれた。

「健康な頭髪が正常に生育するためには適切な頭皮のケアが重要で、そこに大きく影響するのはシャンプーです。リンスやコンディショナーは傷んだ髪の毛をケアするためのもので、目的が異なるので必ずしも両者をセットで使う必要はありません。なお、シャンプーについては、頭皮をきちんと洗浄しつつ、潤いを損なうことのない、頭皮に優しいものが良いですね。洗浄力過多になりすぎないようにすることが重要です」

となると、リンスやコンディショナーは女性にはともかく、男性には不要なようにも思えてくるのだが、シャンプーメーカーとしてはどう考えるのだろうか。

「リンスやコンディショナーはいらないのでは?」というストレートな質問に対し、スカルプシャンプーのメーカーである「株式会社メソケアプラス」の広報担当者から回答を得ることができた。

「もともとリンスとは、石鹸(けん)で髪を洗っていた時代にアルカリ性に寄った髪を中性にするために使うもの(酢酸やクエン酸など)でしたが、今では傷んだ髪の毛をしっとりと滑らかにさせる役割の存在となっています。コンディショナーやトリートメントなどと同意義の言葉になってきていますね。従って、髪を染めている人や髪が長い人など、髪が傷む可能性がある方は利用されたほうがいいかと思いますが、髪をとても短くされている人は、必要ないかもしれません。いわゆる坊主頭にしている人などは、必要ないですね」

もちろん、使うリンスやコンディショナーは低刺激なものを選び、使用後は頭皮に残らないようしっかり洗い流す必要がある。

「湯シャン」だけで済ませていいの?

ここで新たな疑問が浮かんでくる。頭皮の潤いを保ち、刺激を避けるのであれば、「シャンプーで洗わない」という選択肢もあり得るのだろうか。

かつて美容情報誌などでは、タモリさんや福山雅治さんらがシャンプーを使わない、いわゆる「湯シャン」「ノープー」を実践していると話題になっていた。お湯や水だけで汚れを落とすというのは、頭皮へのやさしさという意味では究極の方法にも思える。

シャンプーメーカーには答えにくいかもしれないが、いっそシャンプーなしでもいいのではないか。「メソケアプラス」広報担当者の考えはこうだ。

「確かに刺激は少なくなりそうですが、まったくシャンプーを使わなければ汚れや酸化した皮脂は落としにくいです。また、整髪料などはお湯だけでは落ちませんから、それらが頭皮に残ることで刺激となったり、かゆみのもとになることも。就寝中に無意識に掻くことで、頭皮にダメージを与えてしまうこともあります。もちろん年齢や性別によって洗髪の頻度は変わりますが、基本的には1日の終わりにシャンプーを使い、頭皮のケアを行っていただくのが良いと思います」

やはり、適切なシャンプーで頭皮と髪の汚れをリセットしたほうがよさそうだ。春からの新生活シーズン、ワックスやスタイリング剤でヘアスタイルはばっちりとキメて、という男性も少なくないと思われる。

万が一、夜に家に帰ってきてそのまま寝てしまうと、朝にシャンプーをしたとしても、24時間常に頭皮が汚れた状態だ。前述の指摘のように、頭皮へのダメージ要因になりかねない。オンとオフの切り替えの意味も込めて、家に帰ったら男性もしっかりとシャンプー。髪のコンディションが気になるようなら、リンスやコンディショナーも使い、清潔な頭で次の日を迎えるようにするべきだろう。