秋でも熱中症には注意が必要だ。とくに車内では、温度が50度以上にまで達することもある。

涼しくなってきたから、ちょっと子どもを車に残して...という行動は、絶対にやめよう。

外の気温が26.8度でも車内は47.9度

一般社団法人日本自動車連盟(JAF)が、2006年10月17日に実施した秋の車内温度の測定実験。これによると、実験当日午前10時の時点で外の気温は22.7度だった。雲の切れ間から日が差し、暑くなく、やや雲が多い過ごしやすい天候だったという。

しかし、この時の車内の温度は37.5度で、ダッシュボードは52.3度を記録していた。外と車内で約15度も気温差があった。

その後、13時には外の気温が26.8度まで上昇すると、車内温度は47.9度、ダッシュボードは65.1度と高温を示した。エアコンを使用しても車内は32.8度、ダッシュボードは40.2度と高温を維持したままだった。

さらにこの時間帯に、エアコンを使用して車内温度を25度程度にした後にエンジンを停止させ、車のドアや窓を締め切った状態で放置した。その約1時間後の車内温度は、51.3度。エアコンを使用していない車両とほとんど同じ温度まで上昇していた。秋の過ごしやすい天候でも、日が差すと車内温度は上昇する。

車の鍵は子どもに持たせずに保護者が管理

消費者庁は公式サイト上で、真夏でなくても車内での熱中症に注意するよう呼びかけている。とくに、子どもを車内に放置することは危険だ。

子どもは体温調節機能が未発達なため、体に熱がこもり体温が上昇しやすい傾向があるという。同庁は、前述したJAFの実験結果を引用し「たとえ数分であっても、車内に子どもを残すことは絶対にしないように心がけてください」と、短時間で一気に温度が上昇する車内での熱中症のリスクを指摘している。

子どもが自分で車の鍵を閉めて車内に閉じ込められる事故も起きている。「車の鍵は子どもに持たせずに保護者が必ず管理しましょう」と消費者庁。

総務省消防庁によると、徐々に気温が下がり始めた20年9月28日〜10月4日でも、全国で180人が熱中症で医療機関に救急搬送されている。環境省が「熱中症予防情報サイト」で公開している「過去の傾向から見る熱中症リスクカレンダー」を見てみよう。15〜19年の5年間のデータによると、10月の日中でも熱中症の「厳重警戒」を示している日が多数ある。「厳重警戒」レベルは、すべての生活活動で熱中症が起きる危険性があり、外出時は炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意する必要があると定義されている。

たとえば19年10月、愛知・大阪・高知・鹿児島・沖縄の5県合わせて15日間、厳重警戒レベルの日があった。とくに沖縄県は10月下旬まで厳重警戒レベルが続いた。

涼しくなるこれからの季節でも、安心はできない。