プラスチック製品規制の第二弾が2022年4月から始まることが明らかになった。環境庁が21年8月23日に公表した。対象となるのは、コンビニエンスストアのストローなど12品目。メーカーは代替品などへの切り替えが必要になる。消費者も場合によっては、新たな出費を強いられる可能性がある。

無料で提供できなくなる

プラスチック規制の第一弾は20年4月にスタートしたレジ袋の有料化。日経新聞によると、すでにスーパーでは客の80%、コンビニでも75%がレジ袋を辞退するようになっているという。

今回は、21年6月に成立したプラスチック資源循環促進法による新たな規制の追加だ。プラスチックごみを削減するため、これまで無料で配られてきた使い捨てのプラスチック製品について、提供方法の見直しが求められることになった。

朝日新聞によると、対象となる業種は、コンビニやスーパーなどの小売業、持ち帰りや配達を含む飲食サービス業、宿泊業など。対象の製品は、スプーンやフォーク、ストローなどのほか、ホテルの部屋にあるクシや歯ブラシなどのアメニティー用品、クリーニング店のハンガーや衣類用カバーも含まれている。

年間5トン以上の使い捨てプラ製品を配っている事業者には削減が義務づけられる。不十分なら国が勧告や命令を出し、従わない場合は50万円以下の罰金を科せられる。

具体的な削減策としては、有料化する、必要かどうか客の意思を確認する、受け取らない客にポイントを還元する、木製やリサイクル素材などの代替品を提供する、などが考えられている。

日経新聞によると、プラスチックのストローを木製に替えると、コストが3倍になる。すでにコンピニや外食各社は対応を検討中だという。

海洋環境を汚染

プラスチックごみへの対応は近年、世界的な課題となっている。漂着したクジラの胃からから大量のポリ袋やプラスチック製のカップが見つかった映像がセンセーションを巻き起こした。一頭のクジラの胃から、8キロのプラスチックごみが見つかったこともあった。

『クジラのおなかからプラスチック』(旬報社)によると、使い終わってごみになったプラスチックは、埋めたり、燃やしたり、リサイクルしたりする必要があるが、実態として生産量の1.7〜4.6%が海に流れ込んでいるという。プラスチックごみは、2050年に海の魚の重量を超えるといわれているそうだ。海洋環境汚染の張本人となっている。

特に最近問題になっているのがマイクロプラスチックだ。プラスチックは紫外線や酸素、水の力などで劣化し、次第に細かく砕かれ分解され、小さな破片になっていく。長さが5ミリ以下になったものをマイクロプラスチックという。あらゆるプラスチックがマイクロプラスチックになっていく。これらを、プランクトンだと思って魚が呑み込んでしまう。東京湾のカタクチイワシの8割から見つかっているという。食物連鎖でさらに大きな魚に吸収されるから、いつの間にか私たちもマイクロプラスチックを食べることになる。

ペットボトルはリサイクル進む

『海洋プラスチックごみ問題の真実』(DOJIN選書)によると、少し古いデータだが、2010年のプラスチック廃棄量は約3200万トン。その3割弱は中国が出しているという。次いでインドネシア、フィリピン。上から6番目までをアジアの国々が占めている。日本は32位。

17年に発表された論文では、「プラごみ全体の88〜95%は世界の10本の川から海に流れ込んでおり、うち8本はアジアの川」だと指摘されている。海洋プラスチック問題はアジアの問題でもあるという。

マイクロプラスチックはPCBやDDE(殺虫剤DDTの分解物)などの毒物を吸着する性質がある。魚類などを通して人間がマイクロプラスチックを摂取すると、濃縮された毒物を体内に取り込むことにもなる。

日経新聞は、プラスチックごみは生態系に悪影響を及ぼすだけでなく、石油由来のため廃棄して燃やすと温暖化ガスが出る問題もあり、「プラごみを減らすには事業者から消費者まで社会全体の取り組みが必要」と指摘する。

もはや手遅れと言えなくもないプラスチック規制。ちなみにペットボトルについては、以前から回収の取り組みが進んでいる。PETボトルリサイクル推進協議会によると、19年度の場合、リサイクル率は85.8%となっている。