2022年の春は「値上げの春」と言われ、さまざまな商品の価格が上がった。その具体的な数字が、最新の消費者物価指数で明らかになった。

総務省が5月6日発表した4月の東京都区部の消費者物価指数は、前年同月比1.9%上回った。7年1か月ぶりの高水準だ。原油高や原材料高、ウクライナ情勢、円安などで、今後さらに上昇が強まる可能性が高いと報じられている。

エネルギー価格の上昇が大きい

電気、ガスの料金。高速道路など交通機関の料金や日用品、様々な食料品、クリーニング代・・・このところ身の回りでは値上げ話に事欠かない。

テレビ朝日によると、今回の上昇は、携帯電話の通信料の押し下げ効果が薄れたことが大きい。大手各社が21年春に格安プランを導入したため、22年3月は総合指数を1.08ポイント押し下げていた。4月は携帯電話の料金下げの影響がなくなり始め、物価上昇につながった。

エネルギー価格の高騰や、原材料高で食料品も上がったことも影響している。エネルギー関連は24.6%アップ。3月(26.1%)に続いて高水準の上げ幅となった。電気代は25.8%、ガソリンは14.3%、それぞれ上がった。エネルギー品目の上昇分だけで、全体の総合指数を1.13ポイント押し上げた。原材料価格の高騰で、食パン(8.4%)やハンバーガー(6.7%)なども上昇した。

近々発表される予定の全国ベースの消費者物価指数も、大きく上がる公算が大きいという。

「3つの理由」

4月の消費者文化指数の値上がりは、予測されたものだった。NHKはすでに4月5日、「値上げの春 この先は?」というニュースで、今井純子解説委員が物価上昇の「3つの理由」を解説している。

昨年来、コロナ禍などの影響で国際的な原材料価格が上がっていた。そこに、ロシアのウクライナ侵攻、そして円安が加わった。

輸入物価指数はすでに2月の時点で、1年前と比べて、34%と大幅に上がっていた。ウクライナ危機で穀物やエネルギー、レアメタルなどが一段と上昇。米国の金融政策で、円安が進んだ。

5月には、お菓子や飲み物、そして電気料金、都市ガスの料金がさらに上がることが、決まっている。例えば、東京電力では、使用量が平均的な家庭で1か月の電気料金は、1年前より1700円近く値上がりすることになるという。

穀物類の国際価格の上昇は、製品価格の上昇と多少のタイムラグがある。小麦の製粉会社などへの売り渡し価格が大幅に引き上げられたことで、今後、さらに身近な製品の値上げにつながっていくという。

玉ねぎの高騰にもコロナの影響

日本ケンタッキー・フライド・チキンは6日、6月1日と7月6日に合計38品目を値上げすると発表した。小麦粉や食用油などの原材料価格や物流費が上昇しているためだ。時事通信によると、現在700円のチキンフィレサンドセットを6月から740円に引き上げるなど、セット商品は大半を30〜40円値上げする。

今回の消費者物価指数には、価格変動の大きい生鮮食料品は含まれていない。6日の朝日新聞「天声人語」は、「近所のスーパーの野菜売り場で値札に目を疑った。タマネギが1個298円もする」と、驚愕の体験をつづっている。

高騰の主因は、天候不順で主産地の北海道や、2番目の産地である佐賀県が不作だったことだ。加えて、「実は上海のロックダウンも響いています」というJA担当者の声も紹介している。コロナ禍で上海が街ごと封鎖されて、冷凍など加工用に欠かせない中国産の輸入が滞ったのだという。その結果、全体として玉ねぎの価格が高騰しているらしい。

これから先はどうなるのか、NHKの今井解説委員は「値上げの春だけでなく、値上げの夏。値上げの秋と、続いていくという見方もでています」と解説している。特に生活必需品の値上がりが、消費者にとっては痛手だ。2月の消費者物価は、0.6%の上昇にとどまっていたが、すでにこのうち、生活必需品に限ってみると、4.1%上昇していた。

ウクライナは世界有数の穀物輸出国。ロシアの軍事侵攻で、年間輸出量の半数量が輸出できなくなっている。今後、世界各国に影響が広がると報じられている。

日経新聞は6日、民間エコノミスト10人の意見を集約している。それによると、全国の物価上昇率は、「10月には2.2%にまで高まる」という。