【ニューヨーク時事】米事務機器大手ゼロックスが13日、富士フイルムホールディングスによる買収計画にノーを突き付けた。半世紀以上続く合弁事業の相手への身売りは大株主の反対によって行き詰まった。新経営陣は「戦略的代替案」を検討するとしているが、先進国を中心に事務機器の販売が伸び悩む中、経営再建は前途多難だ。

 ゼロックスの足元の経営状況は厳しい。環境保護やコスト削減などの観点からオフィスのペーパーレス化が進み、先進国を中心に事務機器の販売不振が続く。ゼロックスの1〜3月期決算は前年同期比42.5%の減益と振るわず、富士フイルムによる買収を事実上の救済策とみる向きも多かった。

 両社の合弁会社の富士ゼロックスはアジア太平洋地域に強い一方、ゼロックスは欧米を中心に事業を展開し、経営統合による相乗効果が期待されていた。ゼロックスは大株主の経営介入を受けて戦略を見直すが、富士フイルムとの関係を断ってしまえば、アジアなどの成長市場での商機を失うことになりかねない。

 新経営陣は、後ろ盾である大株主の著名投資家カール・アイカーン氏らの意向に沿う形で、新たな提携や事業改革、身売りの仕切り直しなどの選択肢を検討することになりそうだ。アイカーン氏は、パソコンメーカーとの提携やデジタル印刷分野をはじめとする未利用の知的財産の収益化などを通じて経営再建が可能だと主張している。

 ただ、そうした改革策が富士フイルムから有利な条件を引き出すための裏付けのないものだった場合、再建は壁に突き当たる公算が大きい。アイカーン氏は「1株40ドル以上の現金買収なら真剣に検討する」との見解を示しており、最終的に再び身売りに傾く可能性もある。