ビールの泡立ちはホップに由来する分子が左右していることを、産業技術総合研究所とキリンの共同研究チームが分子レベルの観測で解明した。研究チームは「ビールの重要な要素である泡をどう作るかの手がかりになる」と話している。論文は10日、日本化学会が発行するケミストリー・レターズ電子版に掲載された。

 ビールの泡は、薄い膜状に広がったビールが内部のガスを包む構造が無数に集まっている。一つ一つの泡表面の分子を直接観察するのは難しく、どの成分が泡の形成や維持に関与しているかは明確ではなかった。

 産総研の宮前孝行主任研究員らは、特殊なレーザー光を使った手法で、ビールの泡の表面を分子レベルで詳細に観測。苦味成分のイソフムロン類やポリフェノールの一種イソキサントフモールなどホップ由来の分子が集まっていることが分かった。

 また、泡の維持にはホップだけでなく、ビールに含まれる高分子のたんぱく質も関与。ホップ由来の分子が、泡の表面で高分子のたんぱく質と結び付き、泡を安定させていることも分かった。