内閣府の消費者委員会は10日、全ての加工食品で主な原材料原産地の表示を義務付ける食品表示基準の改正案を政府に答申した。消費者庁は今月中にも新たな基準を施行。業者側の負担を考慮し、経過措置期間を設け2022年4月に完全に義務化する方針。表示にはあいまいさもあり、分かりにくいとの声も出ている。

 これまで原産地表示の義務は、乾燥きのこや干物、漬物といった加工の度合いが低い22食品群と4品目に限られていた。新基準では全ての加工食品を対象とし、重量割合が最も多い原材料の原産地をパッケージなどに表示することを義務化する。

 外国産の原材料は原産国を表示。国産の場合は「国産」もしくは県名や地名を記載する。原産国が複数の場合は、重量の割合が多い順に並べる。3カ国目以降を「その他」と表示することができる。

 状況に応じた例外も規定。仕入れ先が頻繁に変わり重量順表示が難しい場合には「米国またはカナダ」といった可能性表示で対応する。原産国が3カ国以上の場合は「輸入」と大くくりに記載することを認める。このため、「輸入または国産」といった不明瞭な表記が出てくる可能性もある。

 改正案の議論やパブリックコメントでは、対象拡大により「購入時の選択に役立つ」という好意的な意見があった半面、「混乱を招く」「業者の負担が大きくなる」といった懸念の声も出た。

 これらを受け、消費者委は消費者と業者への周知状況の調査や例外表示の検証、完全実施から2年後をめどに制度の見直しなどを実施するよう政府に求めた。

 消費者庁が昨年実施した店頭調査によると、自主的に行っているものを含め、原産地の表示がある加工食品は27%にとどまっている。