安倍晋三首相は14日の衆院予算委員会で、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が韓国の文在寅大統領に訪朝を働き掛けていることに関し、「大切なことは、そこから成果が生まれるかどうかということだ」と述べ、非核化などに向けて北朝鮮の歩み寄りが見込めない現状での訪朝をけん制した。

 首相は、過去に金大中、盧武鉉両大統領が訪朝したことにも触れ、「果たして結果がどうなったかなどもしっかり分析していく必要がある。対話のための対話では意味がない」と語った。日本維新の会の下地幹郎氏への答弁。

 衆院会派「無所属の会」の広田一氏は、米グアムに向けて弾道ミサイルが発射された場合の日本の対応を取り上げた。首相は、迎撃のために「存立危機事態」と認定する手続きの迅速化に向けて「常に改善していくことを考えないといけない」と強調。必要な手続きに関し「国会承認は事後でもいい。そういう状況になれば、直ちに連絡ができる態勢を全ての閣僚に取らせておくことは十分に可能だ」と説明した。

 一方、北方領土の返還について、首相は「ロシア人が生活しているという現実がある。住んでいる人たちも含めて、帰属が変わることに理解を得なければ成し遂げられない」と述べ、共同経済活動を通じて住民の理解を得る必要があるとの認識を示した。

 ロシア側が返還後に在日米軍基地が置かれることを懸念していることに関しては、日米安全保障条約の規定を挙げて「米軍が望めば、どこにでも置けるということでは全くない。日本の同意が必要だ」と指摘した。希望の党の後藤祐一氏への答弁。