衆参両院予算委員会の集中審議が8日で終了した。大学入学共通テストへの英語民間試験導入見送りや国語・数学の記述式試験をめぐる問題が主要テーマとなり、論戦は「教育国会」(立憲民主党幹部)の様相を呈した。政府は問題に区切りを付けたい考えだが、野党は追及の手を緩めない方針だ。

 「英語民間試験の導入をどう決めたのかプロセスも分からない」。8日の審議で国民民主党の徳永エリ氏はこう語り、導入の経緯が不透明だと問題視した。

 6日の衆院予算委では立憲の大串博志氏が、民間導入の可能性を打ち出した政府の教育再生実行会議に、当時の下村博文文科相が献金を受けた大手塾グループのメンバーも含まれていたと指摘。立憲幹部は「巨大利権があるのでは」と語る。

 質疑ではずさんとも映る政策決定過程も浮き彫りになった。民間試験導入を議論した文科省「検討・準備グループ」内には、民間試験の必要性を主張した2016年8月時点で英語教育の専門家が不在だったことが判明した。

 今後の対応に関してもあいまいだ。政府は今後1年で英語技能を評価する制度を検討するとしているが、安倍晋三首相は答弁で地域的・経済的格差が生じないようにする具体的な方策には触れずじまいだった。

 国語・数学の記述式試験をめぐっても、採点の公平性や質の担保に疑問の声が上がった。

 野党は、約50万人の記述式の答案を短期間で処理するのは困難で、委託を受けた民間業者がアルバイトを採用する可能性を危惧。採点基準が不透明で、受験生による自己採点も難しく、二次試験の志望校選択に影響を与えかねないと批判した。

 立憲の福山哲郎幹事長は8日の質疑で「理想と現実がかけ離れたものになっていると思います」との高校生の声を紹介。「大きな不安を与えるだけだ」と訴え、記述式試験の中止を要求した。

 一連の質疑で首相は英語試験について「受験生から納得できるものにして責任を果たしたい」と述べるなど、信頼回復に努める姿勢を強調。「身の丈」発言を謝罪した萩生田光一文科相も防戦に徹した。

 自民党国対幹部は問題は沈静化に向かうと楽観する。ただ、野党は衆院文部科学委員会などで追及を続行する構えで、政府・与党の思惑通りに進むかは見通せない。