大相撲の横綱稀勢の里が10日、地元茨城県の日立市で行われた夏巡業に加わった。横綱になってから巡業に参加するのは初めてで、4000人を超える観客を沸かせた。

 3月の春場所に負傷した左の上腕と胸に続き、名古屋場所で左足首も痛めて途中休場。横綱審議委員会からは本場所を休場してでも体調を万全にするよう求められる中、「(体を)動かせるようになった」と判断し、巡業への途中参加を決めた。

 左足首にはテーピングを施さず、気にするそぶりも見せなかったが、状態は「まだまだ」と明かす。稽古では土俵には上がらず、基礎運動に励んだ。

 昇進を待ち望んでくれていた故郷のファンに勇姿を見せたい思いもあったはずで、「しっかり務めることが一番」と気持ちを込めて話す。綱締めの実演や土俵入りのほか、700枚の手形を押す作業に追われても、明るい表情でこなしていた。

 14日には岩手県釜石市で行われる東日本大震災復興祈願の土俵入りを控える。「しっかり全うするだけ」。短い言葉で大きな務めに臨む決意を示した。