株式会社 名南経営コンサルティング 社会保険労務士法人 名南経営 著
A5判/264ページ/定価3000円+税/中央経済社 

BOOK REVIEW  ―人事パーソンへオススメの新刊

■ 海外支社や現地法人に赴任する社員に対しては、現地でやってはいけないこと、注意すべきことについて赴任前に教育する企業も多いと思われる。しかし、実際に赴任先で問題を起こした場合、日本国内の本社が解決しようとしても、距離や法律の問題でスピーディーに対応できないことが多い。そこで本書は、災害やテロ、スパイ容疑など近年起きているものを含めたトラブルの類型を挙げるとともに、本社が行うべき対応策を紹介する。
■ 本書は全9章から成っており、第1章では総論として、海外赴任者のトラブルに備え本社がどのような組織や連絡体制を敷くべきかを論じている。続く第2章から8章までは各論として、災害、交通事故、労使トラブル、現地の風習やルール、違法行為、健康管理、プライベート問題といった切り口から、海外赴任者にまつわるトラブルの類型と対応策を述べている。第9章では派生的な切り口として、海外出張者のトラブルと対応策を論じる。
■ 最も多く紙幅を割いているのが、第7章の「赴任者の健康管理対策」だ。特に、海外という慣れない環境でのストレスや長時間労働が、暴飲暴食やアルコール依存といった健康状態の悪化や、メンタルヘルス不全を引き起こすリスクになる点に重きを置いている。大気汚染や感染症といった環境面のリスクだけでなく、本社から目の届きにくい個人の健康リスクを詳細に論じている点は、豊富なトラブル対応の経験を持つ筆者ならではといえる。海外赴任体制の構築や見直しを行う際は、その体制を「机上の空論」としないためにも、本書を一読することをお勧めしたい。

 



海外赴任者の危機管理対策マニュアル

内容紹介 
現地災害、健康管理、賄賂等の違法行為など、様々なリスクがある中で企業はどう対応すればよいのか。防止のための事前準備からトラブルが発生した際の事後対応までを紹介。
ジンジュール