みらいコンサルティンググループ 編
A5判/192ページ/定価1900円+税/同文舘出版 

BOOK REVIEW  ―人事パーソンへオススメの新刊

■ 日本能率協会の「当面する企業経営課題に関する調査」(2016年度)によると、組織・人事領域で重視する課題の上位3位までに「次世代経営層の発掘・育成」を挙げた割合は38.4%。そのための人材育成に意図的に取り組んでいる企業は8割超に上る一方、実際には「ほとんど育っていない」との回答が33.9%を占めている。予測困難な環境変化の時代を示す"VUCA"という言葉が広く定着する中、次代を支える経営人材の育成というテーマがさらに重みを増している様子がここからもうかがえる。
■ こうした課題を正面からテーマに据えた本書は、一連の育成制度・プロセスづくりのための指南書とは少し趣が異なる。みらいコンサルティング㈱の代表取締役を務める久保光雄氏ら4名の執筆陣が伝えようとするメッセージは、新たなリーダーを発掘・育成するために、「戦略・人財・仕掛け」の3点セットの視点から取り組みを展開すべきというものだ。第1部では、ビジネスモデルの転換期における戦略構築と、仮説思考・想像力・見える化というポイントを押さえたKPIの設定・運用の在り方を解説。「人財」にフォーカスする第2部では、業績を上げながら人を発掘・育成する取り組みと、求められるリーダーシップ像を掘り下げる。
■ 第3部では「人財を育てる仕掛け」として、戦略と人財を結び付ける組織開発、パフォーマンス向上に向けたゲーミフィケーションの活用、タレントマネジメントなどを解説。さらに、変革意欲と能力の2軸により、発掘・育成すべき9パターンの経営人財像を示し、攻めと守りの戦略視点と育成策のマッチングを紹介している。見通し難い今後に向けた人材育成は、「だれが適任か」「どんな施策が効果的か」に関心が傾きがちだが、戦略視点から組織とリーダー像を描くアプローチの重要性を再認識させてくれる一冊だ。

 



次世代経営人財育成のすすめ

内容紹介
今なぜ戦略⇔人財⇔仕掛けの3点セットが必要なのか? さまざまな不安定・不確実・複雑・曖昧な環境に囲まれる中、企業では中長期的な次世代経営人財の育成が喫緊の課題である。次世代リーダーを育てるための、戦略・人財育成・人事設計のノウハウを解説する。
ジンジュール