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「将棋を指すよりも、むしろ藤井四段など特定の棋士のファンになり、“観る将”といわれる観戦ファンになる女性も多い。それくらい将棋界は面白い人物の宝庫なんです」

こう語るのは、将棋ライターの松本博文さん。今、史上最年少棋士で、最多連勝記録を29に塗り替えた藤井聡太四段(14)の活躍を機に、将棋界ブームが訪れている。そこで松本さんに、将棋が10倍面白くなる、個性的な棋士を紹介してもらった!

■佐々木勇気六段(22)

藤井四段の連勝記録を止めたことで一躍、時の人に。ジュネーブ生まれという珍しい経歴、対局中に見せる鋭い目つきが話題になった。

「じつは天然なところがあって、力うどんにさらに餅をトッピングしたり、駅から将棋会館へ移動中、スキップしていたという目撃談も」(松本さん・以下同)

■加藤一二三九段(77)

パチン、パチンと駒音がひときわ大きい“ひふみん”。

「力を込めすぎて、駒を割ったということをご本人から聞いたことがあります。通常、片手で駒を持つものですが、両手で『金』を持って指したのは、今や伝説です」

棋士にとっては一手一手が命を削る勝負なのだが、公式戦で「待った」もしているのが、ひふみん!

「持ち時間の短い対局で、指した後に、無意識のうちに指し手を変えてしまい、対局相手から抗議を受けていました。加藤先生は後で、理事会から厳重注意を受けたそうです」

■羽生善治三冠(46)

八大タイトルのうち、王位・王座・棋聖の三冠を持つ将棋界のレジェンドだが、こんな盤外レジェンドも。

「大事なタイトル戦でのこと。羽生三冠はおやつにアイスクリームを頼んだのに、まったく手をつけないから溶けだしてくる。対局相手はそれが気になってしょうがなく、動揺してしまい、結局、勝負は羽生三冠の勝ち。ちなみに溶けてバニラジュースのようになったアイスを、ごくごく飲み干したそうです」

■渡辺明竜王(33)

棋界最高峰のタイトルであり、名前からしても最強の「竜王」位につくが、イメージとかけ離れたファンシーな側面があるという。

「ご自宅にお邪魔したら、山のように、ぬいぐるみがありました。タイトルの就任式にはゴルフ好きの棋士にゴルフバッグが贈られるなど、個性が出ますが、竜王には『となりのトトロ』のネコバスのぬいぐるみが贈られたことも」

さらに、こんな弱点も。

「タイトル戦は日本庭園に面した部屋などで行われますが、竜王は虫が大の苦手。『検分』と呼ばれる前日の部屋のチェックでは、虫が入ってこないように、窓の隙間にも気を配っているようです」

■佐藤天彦名人(29)

「竜王」と同格で、もっとも歴史のあるタイトルが「名人」。そのタイトルを昨年、羽生三冠から奪取した佐藤名人は、棋界のファッションリーダー的存在。ベルギーの「アン・ドゥムルメステール」というブランドや、『ドルチェ&ガッバーナ』などの服を好み、黒いマントに身を包んだ装いをするなどで、いつしか“貴族”と呼ばれるように!

「10代のころは純朴な服装でしたが、もともとファッションには興味があり、高校生のときに目覚めたそうです。若手でお金のない時期からファッションへのお金の掛け方が半端なく、普通の人のコート2着分はするのではないかと思われる、高価な靴下をはいていたとも聞きました」

名人戦にピンクや、なぜかアザラシの柄が入った和服を新調して臨んだことも。

「ファッションリーダーと言われていますが、もはやリードしすぎ。誰もついていけない領域にいます」

個性的な面々が躍動する将棋界。贔屓の“オモシロ棋士”を見つけるだけでも、十分に楽しめること請け合いだ!