モラルハラスメント、通称モラハラの定義とは「モラル(道徳)による精神的な暴力、嫌がらせのこと」とウィキペディアには書かれています。

当たり前に言葉が浸透しているモラハラですが、コロナ禍によって「これか!」と感じた人も多いことでしょう。

「コロナ離婚」という言葉も出るくらいのこの状況。強制的な生活の変化は、私たちの心や人間関係には、大きな見直し課題が見えてきたことになります。

そんな中、タレントの熊田曜子さん(38)の発言が、話題となっています。

5月22日放送の「ノンストップ!(フジテレビ系)」内で「自粛生活…家庭内ガッカリさん」というテーマで討論した際のことです。夫がご飯を食べないという日常を吐露した熊田さん。その内容が、モラハラではとネットでも言われているのです。

■食事拒否、未解決問題暴露、どっちがモラハラなのか?

番組内で熊田さんは、煮込み料理など手間のかかる料理を振る舞った際、旦那さんに「俺は刺身とかサラダとか、切っただけのものが好き」と言われ、手を付けてもらえなかったそうです。

過去にも、旦那さんがご飯を食べないという不満をインスタグラムにアップし、話題となっていた熊田さん。夫がご飯に手を付けない日は日常茶飯事の事だそうで、これはモラハラと言えるのか……番組でも討論されていました。

しかし筆者は、なんだかモヤッとしてしまうのです。

なぜならこの話は、一見すると妻側の主張は夫のモラハラ気味な態度として自然と受け止めることができます。

しかし視点を逆にしてみると、妻は夫との話し合いが終わる前の、未解決な状態で不特定多数に不満を拡散していることになり、これも見方によってはモラハラに近いような気がしてしまうのです。

SNSでこういった疑問をつぶやいた際、知人からは「『切ったものだけが好き』というニーズを無視するのもモラハラの1つだと思う」という意見もありました。

モラハラの境界線は本人たちの中にしかないものですが、夫婦やパートナーシップは「違い」を受け止め、お互いがOKを出せる場所まで歩み寄ることで良くなっていきます。

そう考えると、モラハラ心配……というより、熊田さんとこは夫婦の対話、大丈夫か?と、思えなくもありません。

■「不満を暴露」という共感キャラは本当に必要なのか?

コロナによって、タレントのスタンスや価値にも大きな変化がありました。

きゃりーぱみゅぱみゅさん(27)を始め、多くの芸能人が、今までタブーとされてきた政治に関する発言をするようになりました。

また有名人への誹謗中傷に対する見直しや取り組み方も、悲しい出来事をキッカケに変わろうとし始めています。

全てコロナとひとくくりにするのは雑かもしれませんが、この1カ月あまりで世界の価値観が変わり、エンタメ業界の価値観も大きく変わったように思います。

そんな変化を通り、芸能界は今後「よくある共感を促すだけのタレント」へのニーズが減っていく気がしてます。

※あくまでも熊田さんを指しているわけではなく、その場の話題や空気に適切に順応する“だけ”の芸能人全般に対して思うことです。

もちろんSNSというツールでは身近感も大切なのですが、そんな中にも、キラリと人を引きつける一貫性があってこその特別な存在。それが今後求められる数少ない“タレント”なのではないかと思うのです。

緊急事態宣言が明け、新たなスタートを切り始めた今日この頃。熊田さん夫婦は、無事コロナ禍ご飯問題を切り抜けられたのでしょうか。

そして私達ひとりひとりも、この大きな変化を乗り越え、ただ「大変だったね」と元に戻るのではなく、踏まえた結果、新たな成長の一歩を踏み出したいものです。

(文:おおしまりえ)