「実話怪談ブームと言われて久しいですが、夏ではないこの寒い時期にここまで盛り上がるともう一過性とは言えませんね。多彩な怪談師も続々参入してきて、エンタテインメントのひとつのジャンルとして完全に定着しそうな勢いです」(イベント会社関係者)

12月22日に有料生配信し、その後も期間限定で有料配信されている『北野誠の茶屋町怪談2020冬』(MBSラジオ)。先んじて今年8月に『北野誠の茶屋町怪談2020夏』と銘打ち、ラジオ怪談番組“日本初”有料ライブ配信を行なっていたが、配信期間が延長されるほど好評を呼んでいた。夏に続いて今回の「冬」も、視聴チケットは売れ行きを順調に伸ばしているという。

そもそも『北野誠の茶屋町怪談』(以下『茶屋町怪談』)は、‘15年8月のお盆に、タレントの北野誠を司会にして、数名のゲストが1時間にわたって実話怪談を披露するシンプルなラジオ特番としてMBSラジオでスタートした。

‘16年と‘17年は2回ずつ、‘18年は3回、‘19年は4回と、年を経るごとに放送回数と放送時間を増やし、‘20年もこの「冬」を入れると4回目の放送(配信)となる。この茶屋町怪談シリーズをMBSラジオが‘16年からYouTubeにアップロードしたところ、なんと累計1,000万回超再生回数を誇る、まさにお化けコンテンツとなったのだ。

「MBSラジオも、同局アップロード動画の人気上位を独占する『茶屋町怪談』で、コロナ禍でも収益を上げていくひとつの方策として有料配信に踏み切ったのだと思います。一部のファンから『タダで楽しめていたのに、ついにお金をとり始めたよ』といった不満の声もあがりましたが、お金を払ってでも見たいファンのほうが多かったということでしょう」(前出・イベント会社関係者)

数字を持っている「茶屋町怪談」だが、この番組を支える2人の出演者も“持っている”のだ。

まずは、事務所の先輩、北野誠を支えるピン芸人の松原タニシ。8月公開の映画『事故物件 怖い間取り』は興行収入約24億円で今世紀ホラー映画No.1ヒットとなった。KAT-TUNの亀梨和也が主演で松原役を演じたが、この原作となったのが彼の著書『事故物件怪談 怖い間取り』(二見書房)だ。

「松原は映画の前から芸人としてではなく、事故物件怪談師として徐々に名前が売れてきていました。映画もパート2製作が噂されるなど、今では押しも押されぬ怪談芸人として全国区となりましたね」(芸能関係者)

映画では少しデフォルメされていたが、事故物件との縁を作ったのが北野誠だった。「仕事がないから暇してる」という理由で、彼の番組『北野誠のおまえら行くな。』の企画として事故物件に住み始めた松原。まさかの大ブレイクだったが、先輩への恩返しの意味もあるのか、『茶屋町怪談』では常にトップバッターとして怪談を披露し、お化けコンテンツの一翼を担っている。

もう一人は、京都・蓮久寺の住職である三木大雲だ。“怪談和尚”とも呼ばれている彼は、『茶屋町怪談』に準レギュラーとして出演してきた。番組内での厄除けの読経も名物となっている。僧侶の立場から見聞きしてきた怪談は、穏やかな雰囲気で語られることで、よりリアリティが増すと評判だ。そんな和尚も“持っている”。

「大雲さんご自身もよく語っているエピソードですが、蓮久寺には有名な大黒様が本堂に鎮座しています。ある日、雨漏りがひどかったので、お寺の修復費用に1億8千万円が必要だと大雲さんが大黒様にうったえると、宝くじを買えと夢の御告げがあったとか。その通りに売り場に行き宝くじを10枚買うと、それは七福神の絵柄で、なんと1億5千万円が当たったそうです」(前出・イベント会社関係者)

出世を導く良縁に、願いを叶える大黒様ーー。“持っている2人”に支えられている『茶屋町怪談』の快進撃はいつまで続くのか。ちなみに「冬」の配信期間は1月3日まで。見逃しても後日、一部をラジオ放送とYouTube配信する予定だという。