「やっぱり“音楽を届けたい”と。みんな言葉を発しますが、全て音楽の一要素だと思っています。心地よい音楽を届ける1時間でありたいと、『5時に夢中!』の時からずっと思っていました」

そう語るのは、現在、『オトナの夜のワイドショー! バラいろダンディ』(TOKYO MX)でMCを務めるふかわりょう(46)。今年3月に9年間MCを務めた『5時に夢中!』(TOKYO MX)を卒業し、4月から『バラいろダンディ』の新MCに就任。3カ月が経ち、現在の心境を聞いた。

『5時に夢中!』では、MCの立ち位置を“指揮者”と捉えていたというふかわ。だが『バラいろダンディ』に出演するようになってからは、自らも音色を奏でながら指揮する“弾き振り”になったことを実感しているようだ。

「『5時に夢中!』では指揮者としてコメンテーターの“音色”を届けることを意識してきましたが、『バラいろダンディ』では自分の“音色”も視聴者に届けています。『5時に夢中!』に比べて、やや自由度が高くなっているんです。これまで指揮者的な立場として“音色”を引き出すことに専念していましたが、今は自分の考えなども発言しています」

ミュージシャンの顔も持つふかわは、番組作りも1つの演奏として捉えているという。自分を含めた出演者を“楽器”と見立て、それぞれの“音色=人間性”を引き出すことがMCの役割だと語る。

「僕はその人の人柄を引き出したいんです。人柄があるからこそ、言葉に力が生まれる。僕はゲストの発言をコントロールできませんが、言葉が運ぶその人の人間性をお茶の間に届けたい。それが番組に求められていることの一つだと思うんです」



■“ポスト出川”の陰にあった葛藤

94年に芸人としてデビューしたふかわだが、MCの仕事に挑戦するまでは葛藤もあったようだ。昨年11月に発売したエッセイ集『世の中と足並みがそろわない』(新潮社)では、先輩にあたる出川哲朗(57)から“ポスト出川”と指名された過去を明かしている。

しかし、《出川さんを尊敬しているだけに、生半可ないじられ芸人では「ポスト出川」は務まらない》と別の道に方向転換することを決意。そして新天地であるMCに巡り合ったという。

「当時、漠然と感じていた自分の本質とテレビで求められる“ふかわりょう”の乖離が激しくなっていったんです。『やがて自分が破綻するな』っていう危惧がありました。そんな時に出川さんから“ポスト出川”に指名してもらったのですが、『こっちだぞ』って誘われることによって生じる拒絶反応を信用したという感じです。薄々と『このままじゃマズい』と思っていただけで、『MCになりたい』という気持ちが強かったわけではなかったんです。自分のキャラクターに『ちょっと無理があるな』と思っていて、このままだと40、50歳になった時にテレビの中で居場所がなくなるんじゃないかなって」

21時から生放送の『バラいろダンディ』に出演するようになってからは、生活リズムにも変化が生まれた。

「番組が始まるまで何も予定がない日もあり、時間の自由度が高くなりました。最近は朝にウォーキングしてから、朝食をとり、その後にスイミングをして、昼食後にサイクリング。やっぱり体を動かしている方がいいなと思って。文章を書くにしても曲を作るにしても、体を動かすことも大事ですね。煮詰まるとサイクリングに行ったり、泳ぎながら何か考えたりしています」

最後に今後の“ささやかな夢”について語ってくれた。

「この前もちょっとしたイベントがあったのですが、お酒とスーパーで買ったお刺身などを用意して、自宅で一人打ち上げしました。でもやっぱり仲間とお店で飲む方が楽しいですよね。お酒や料理を『注文する』っていう動きが良いです。注文してそれが届くって当たり前にあったことですが、それがいかに心地良いことだというのを再認識しました」

お茶の間に“音楽”を届けたい――。そんなふかわの真摯な気持ちは、きっと視聴者に伝わっていることだろう。