『イカゲーム』や『全裸監督2』など’21年も話題作が続々誕生したNetflix。配信でいくらでも見られるだけに、何を選べばいいのかわからなくなっている人も多いはず。そこで、過去にハマった作品の傾向から次に見るべきものを、韓流ナビゲーターの田代親世さんと映画評論家の小野寺系さんに探ってもらった!

【韓流編】

■『イカゲーム』にハマった人におすすめ! Netflixシリーズ『地獄が呼んでいる』(独占配信中)

謎の怪物が現れ、人間を殺害する事件が発生。宗教団体「新真理会」議長のチョン・ジンス (ユ・アイン)は、罪を犯した者が地獄に行くと主張し、世間の注目を浴びる。

「冒頭から有無を言わせず非日常の世界に引っ張り込む独特の世界観と、現代の世の中の不穏な空気とリンクする妙な不気味さは、『イカゲーム』に通じます。どこからともなく怪物が現れるなんて! と荒唐無稽なんだけど、哲学的なメッセージが込められていて説得力がある。ユ・アインの醸し出す厭世的な雰囲気は役にハマっていて魅力的でした」(田代さん)

■『愛の不時着』にハマった人におすすめ! Netflixシリーズ『恋慕』(独占配信中)

王位継承者だった双子の兄の死により、男装して王となる運命を背負った女性(パク・ウンビン)。自分の正体と秘めた恋心を誰にも明かせないまま、波乱の人生を歩んでいく。

「女性であることを隠して生きる王と、その人が自分の初恋相手だとは知らずに引かれていく王の教育係となる青年文官。2人の恋は、これぞタブーを乗り越える愛を描いた『愛の不時着』の時代劇版です。表に出せない熱い恋情を秘めた奥ゆかしい世界観が美しいし、そのうえ、王を支える男性陣がみな麗しくて、眼福感に満たされる。ロウンの凜々しい顔に落ち着いた低い声が素敵で、もう最高!」(田代さん)

■『シーシュポス:The Myth』にハマった人におすすめ! Netflixシリーズ『静かなる海』(12月24日より独占配信開始)

水も食糧も枯渇した未来の地球。閉鎖された宇宙基地からサンプル回収に挑むハン・ユンジェ(コン・ユ)らを待ち受けていたのは、月面に沈む恐ろしい秘密だった。

「最近では『イカゲーム』に特別出演したコン・ユが探査チームのリーダーを演じます。隊員たちに与えられた時間は24時間。危機的状況に置かれたとき、人はどんな決断を下すのか。Netflix全世界でTOP10入りも果たした2021年の作品『シーシュポス』は砂漠化した近未来を描いたが、本作はどう見せてくれるか。SFスリラーというジャンルの新たな指標になるであろう期待作です」(田代さん)

田代さんは、「韓国ドラマはここ数年でスケール感が大きくなっています。それは、Netflixからの潤沢な投資が入っているからにほかならない」と語る。

世界配信が前提になるため、大作に挑戦しやすい環境もあるという。『静かなる海』などのSF作品がその代表作だ。



【米国編】

■『ラ・ラ・ランド』にハマった人におすすめ! Netflix映画『tick, tick... BOOM!:チック、チック…ブーン!』(独占配信中)

一流のミュージカル作曲家を目指すジョナサン(アンドリュー・ガーフィールド)。30歳に向けてカウントダウンが始まる中、恋や友情に悩み、最高の作品を作りたいという焦りに直面する。

「『イン・ザ・ハイツ』や『ミラベルと魔法だらけの家』などのミュージカル映画の題材や曲の提供者として、いま最も売れているリン=マヌエル・ミランダの初監督作。『ラ・ラ・ランド』で描かれたような、下積み時代の若者が感じる痛みがリアルに表現されています。主演のアンドリューは本作でも素晴らしい歌声を披露し、高い評価を得ました」(小野寺さん)

■『セックス・アンド・ザ・シティ』にハマった人におすすめ! Netflixシリーズ『エミリー、パリへ行く』(シーズン1:独占配信中/シーズン2:12月22日より独占配信開始)

シカゴからパリのファッションのマーケティング会社に出向したエミリー・クーパー(リリー・コリンズ)。パリでの生活を継続することになったが、あの熱い一夜の後は……。

「夢とロマンスにあふれる街、パリ。多くの人がパリに抱く夢のようなイメージが次々に登場する一方で、パリの人々がみんなお高くとまっていて意地悪に描かれているところが面白い。ファッションモデルとしても活躍する超セレブのリリーが、役の上とはいえ、“田舎者”とバカにされます。『セックス・アンド・ザ・シティ』の衣装担当が手がけるファッションにも注目!」(小野寺さん)

■『マネー・ショート 華麗なる大逆転』にハマった人におすすめ! Netflix映画『ドント・ルック・アップ』(12月24日より独占配信開始)

巨大彗星が地球に衝突する可能性を必死に訴える2人の天文学者。しかし、情報が氾濫する世界では、誰もその警告に耳を貸そうとしない。

「天文学者役のレオナルド・ディカプリオとジェニファー・ローレンス、大統領役のメリル・ストリープなど主演級のハリウッドスターが続々登場。2016年には『マネー・ショート 華麗なる大逆転』がアカデミー賞などで注目されたアダム・マッケイ監督の毒のある笑いがさく裂する。差し迫った問題があるのに、そこから目をそむけたい人々が多いことで警告が無視されるという、皮肉な展開がリアルです」(小野寺さん)

小野寺さんは、Netflixのアメリカ映画はアカデミー賞を意識した作品が増えていると指摘する。

「アカデミー賞でノミネートされる作品は増えていますが、作品賞はまだ受賞がない。オリジナル作品での初受賞を目指し、賞に絡みやすい芸術性の高い作品を製作する傾向がみられます」

『tick, tick... BOOM! : チック、チック…ブーン!』などがこの年末年始に配信されたのは、選考時期に合わせるためだと分析する。

日本の作品では『浅草キッド』に続き、米倉涼子主演の『新聞記者』が1月13日より配信スタート。’22年、配信系への流れは世界的にますます加速しそう!