今年も多くの偉大なスターが、たくさんの思い出をわれわれに残してこの世を去った。そんな故人と親交が深かった方から届いた、愛あふれるラストメッセージを紹介。題して、「偉大なるあなたへ、愛をこめて」ーー。

■橋田壽賀子さん(享年95・脚本家・4月4日没)へ。小林綾子(49・女優)

4月上旬、携帯電話の速報で橋田壽賀子先生の訃報を知りました。お元気で過ごしていらっしゃるとばかり思っていましたので、ただ、ただ、びっくり致しました。あれから8カ月も経つのですね……。

橋田先生には毎年、橋田文化財団の授賞式とその後に先生自らがおもてなしされるお誕生日パーティーでお会いしていました。昨年はコロナ禍で中止となってしまったので、最近はなかなかお会いする機会がありませんでした。

『おしん』から40年近く経ちましたが、毎年お招きいただき「あのときはよく頑張ったわね」、大雪の過酷な撮影現場でも私につきっきりだった母のことを思い「お母様、お元気?」といつも気遣ってくださいました。毎年、気持ちばかりに母のふるさと(新潟)のお米をお送りすると、ご多忙でいらっしゃるのに美しい自筆で、丁寧なお礼状を送ってくださいました。

私が京都の大学に入学したとき、プレゼントしてくださった通学カバンは、いまも大事にしています。大学入学当初、石井ふく子先生と葵祭をご覧になるために京都にいらっしゃったときは、お食事にもお誘いいただきお祝いしてくださいました。一つ一つが私の大切な思い出です。

『おしん』のとき、私はまだ10歳でした。先生の大事なメッセージが込められたその『おしん』のドラマからは、小さな幸せや家族の大切さ、生きる喜びなど人が生きていく上で一番大切なこととは何かを教えていただきました。どんな人にもやさしく思いやりがあり、より良い文化芸術のためにといつも考えてくださっていた橋田先生を心から尊敬しております。

先生には到底及びませんが私も精進してまいりますので、どうぞ見守っていてください。