「体の冷えは、内臓の血流を滞らせ、腸の動きを悪化させてしまいます。特に更年期以降の女性は女性ホルモンバランスの乱れや加齢に伴う筋力の衰えにより、冷え性から慢性的な便秘を招きやすいので気をつけましょう」

そう話すのは松生クリニックの松生恒夫院長。松生院長はこれまで4万件以上の大腸内視鏡検査を行い、“汚腸”の人を救ってきた便秘外来のスペシャリストだ。

便秘は腸の老化を早めるだけでなく、万病のもと。便秘が長引くと、老廃物や毒素が体内にたまり、さまざまな病気リスクが増大してしまう。“腸美人”であることは、体の内部も見た目もイキイキと過ごすためのカギなのだそう。

夏は腸トラブルの危険性がいっぱい。暑いからといってエアコンが効きすぎた部屋で過ごしてばかりいると、体が冷えるだけでなく、自律神経の乱れの原因にも。

「室内と屋外の出入りなどで10度以上の気温差が生じる環境にいると、腹部膨満感などの腸トラブルが出やすくなります。また、体の表面温度が下がると交感神経が緊張し、腸の動きが停滞してきます。さらに、血行が悪くなると、血流の滞りから腸管運動が抑制されていきます」(松生院長・以下同)

暑い日は汗で水分が失われるので、熱中症予防のためにも水分摂取は不可欠だが、氷入りのアイスコーヒーや炭酸飲料など、キンキンに冷えたドリンクの飲みすぎは腸を冷やしてしまうので要注意。

「汗をかいた分、ビールで喉を潤したい、という人も多いでしょうが、これもやはりおなかの冷えに注意してください。また細菌が繁殖しやすい夏場は食中毒のリスクが高まります。腸の調子がよくないときは、加熱したものを食べるように心がけたいですね」

また、薄着の季節になって体形をスリムにしようと取り組む食事制限や、食欲不振からくる食物繊維の摂取量減少も便秘を招く。

「腸内細菌のバランスが崩れると、ガスがたまって下腹が膨れてきます。食事制限などの過度なダイエットはかえって腹回りを太くしてしまい逆効果。しっかり食べて、消化・吸収と排便をスムーズにすることで、下腹ぽっこりが解消され、ウエストがサイズダウンしたという声もよく聞きます」

ほかに、運動量の低下も、代謝が落ちることで腸の動きを停滞させてしまうという。

「ストレッチや腸マッサージなど、温めたり、外から刺激したり、腸を活性化させる工夫が必要です。消化・吸収力が高まり代謝のよい体になれば、やせやすい体質になります。やせにくい、むくみやすい体質だという人は、夏こそストレッチやマッサージで運動不足を解消しながら体を温めましょう」

さらに、1日の終わりに湯船につかると、副交感神経が優位になり、翌朝の腸の蠕動運動を促してくれる。暑い夏、腸の冷えに注意しつつ乗り切っていこう!