総務省は8月27日、同じ電話番号を持ったまま携帯電話会社を変える「番号持ち運び制度」、いわゆる「乗り換え」時に払う手数料を無料にする方針を固めた。

手数料は現在3,000円だが、今年度中にも「インターネットで手続きすると無料、店頭での手続きでも1,000円以下」とガイドラインを改定。乗り換えを活性化し料金の引き下げにつなげたいようだ。そんな携帯料金について、経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれたーー。

■ついに音声通話料が安い格安スマホも!

携帯料金については、’18年8月、菅義偉官房長官の「4割は下げられる」発言がありましたが、今も、特に大手の料金は高止まりです。’20年2月の大手3社の平均利用料金は月6,755円。格安スマホの月2,394円と比べると約3倍です(MM総研・機種代金を含む)。

’20年4月には、楽天モバイルがdocomo、au、ソフトバンクに続く「第4のキャリア」となり、月々2,980円という割安感のあるプランを発表しました。ただ、楽天独自の回線が全国を網羅できていないことなどから、値下げ競争は起こっていません。

また、格安スマホもネットの通信料は安いものの、音声通話料金が高いままでした。格安スマホには、docomoの「カケホーダイ」のような制限なしの定額プランがなく、「1回10分以内の通話」など制限付きの定額プランしかありません。これが、通話の多いビジネスユーザーが格安スマホを避ける原因のひとつだったのです。

そもそも、格安スマホ会社は独自の回線を持っていません。docomoなどから回線を借りていますが、その卸料金の高さが、通話料に反映されていました。

そこで、格安スマホ会社のひとつ日本通信は、音声通話の卸料金を「適正価格にしてほしい」と’19年11月に総務省に訴えました。その結果、’20年6月に総務省は、卸料金を「適正な原価+適正な利潤」に設定するよう、つまり安くするようにと裁定を下したのです。

それを受けて日本通信は、格安スマホとして国内初、制限なしの通話定額が付いた「合理的かけほプラン」を7月15日に発売しました。24時間国内通話がし放題と3GBの通信で、月2480円です。

3GBだとメールやラインなどは問題なく、一般的な動画も約6時間見られます。3GBを超えても1GBを250円で買い足せるので、5GB使っても月約3,000円。

また、HISモバイルも8月28日から、同様の通話かけ放題付きプランの提供を始めました。

これらには機種代金が含まれません。しかし、今の機種のまま、機種代金の負担なく乗り換え可能な場合もあるため、一度格安スマホ会社に問い合わせるのも手です。

こうした格安スマホの通話し放題付きプランが浸透すれば、格安スマホを選ぶ人も増えるでしょう。その結果、競争が起これば、携帯料金が下がるきっかけになるかも。

コロナ禍でリモートワークが増え、通信料の負担が家計を苦しめています。次期総理大臣の有力候補と報じられている菅さんが推す「携帯料金の値下げ」は、ぜひ実現させてほしいものです。

「女性自身」2020年9月22日 掲載