「コロナ感染予防が普及したこともあってインフルエンザは今のところ流行にはいたっていませんが、花粉にはまた別の心がけや対策が必要となってきます」

そうアドバイスするのは、たなか耳鼻咽喉科の田中伸明院長。体調を整えて免疫力を高めることに加えて、ウイルス対策の観点からその重要性が注目されているのが、鼻の中のメンテナンス(鼻メンテ)だ。

コロナ禍に追い打ちをかけるようにやってくる花粉の本格シーズンを前に、鼻を健全に保つことが欠かせないという。

鼻には“空気清浄機”のような役割があり、その機能を最大限生かすことが身を守ることにもつながると田中院長は話す。

「鼻うがいはエビデンスが少なく、どこまで感染予防の効果があるかは未知数ですが、鼻咽頭についた花粉を洗い流してアレルギー反応を少なくしたり、サイトカインと呼ばれる炎症成分を洗い流して炎症をひどくならないようにする効果は得られます」

また、上咽頭へ異物が入るリスクを減らすためには、“鼻呼吸”が必須。乾いた空気を吸い込むと、口腔内で病原体が繁殖しやすい状態になってしまう。鼻呼吸であれば、鼻毛や鼻粘膜がフィルターの役割を果たすため、口呼吸よりもリスクを減らすことができるという。

体によい生活習慣を取り入れることも、鼻のメンテナンスにつながる。

【ウオーキング】

適度な有酸素運動をすると、免疫力がアップするといわれている。

「鼻の粘膜は自律神経に支配されていて、交感神経が優位になると、鼻の通りがよくなります。30分程度の軽いウオーキングが、鼻の通りをよくする可能性があります。花粉を避けるためにも、午前中がおすすめです」(田中院長・以下同)

【しっかり加湿】

乾いた空気を直接吸い込むと、鼻の粘膜を乾燥させて傷つけてしまい、免疫力低下につながることも。

「加湿によって、かぜやインフルエンザウイルスの活動を抑制するほか、ほこりや室内にはいった花粉の飛散を防げます。設定湿度は50〜60%程度が目安になります」

また、のどの粘膜が乾燥すると、花粉やウイルスを排出する繊毛上皮細胞の働きが鈍くなる。こまめな水分補給が大事という。

【良質な睡眠】

免疫力を上げるには、質のよい睡眠をとることも大切。睡眠中は副交感神経が優位になり、心と体が休まり免疫細胞が活発になる。

「自律神経を整えるためにも、睡眠をしっかり取ることも欠かせません。鼻がつまって寝つけないため、睡眠不足に陥る人もいます。寝る前に蒸しタオルを5〜10分ほど鼻に当てると、鼻通りがよくなりますよ」

同時に足湯で末端を温めるのもおすすめという。

【おやすみ前のストレッチ】

寝る前のストレッチは副交感神経を優位にさせて、入眠効果がある。

「筋肉を緩めることで血流をよくするほか、心身のリラックス効果をつかさどる副交感神経が活発化します。息を吐き出しながら筋肉を伸ばすのがコツです。寝る前にスマホを見るのはほどほどにして、軽いストレッチをしながらリラックスすると、副交感神経が優位になり、入眠をうながして深い眠りにつくことができます」

【NG習慣・丸めたティッシュを突っ込む】

鼻づまりを解消するために、ティッシュを丸めて鼻に突っ込んだり、こすったりするのはよくない。

「ティッシュは繊維が粗いため、鼻の粘膜を傷つけてしまう恐れがあります。過度にこする、丸めて突っ込むといったことは避けましょう」

【NG習慣・乱暴に鼻毛を抜く】

鼻全体を空気清浄機と考えると、鼻の入口にある鼻毛は「フィルター」の役割を担い、外から侵入してくる花粉やほこりをブロックする。

「鼻毛を抜いたり、カットしすぎると、花粉やほこりの侵入を許してしまうだけでなく、粘膜の乾燥を招くので、鼻毛は切りすぎないようにしてください」

“自前の空気清浄機”である鼻の機能をフルに発揮できるように心がけて、ウイルス&花粉をシャットアウトしよう。

「女性自身」2021年2月23日号 掲載