「今年1月、菅首相は、’35年に新車販売のすべてを電動車にすると表明しました。今春からは、電気自動車(以下EV)購入時の補助金が上乗せになります」

こう語るのは、ファイナンシャルプランナーの小沢美奈子さん。

「“ガソリン車より高い”“充電が面倒”と敬遠されがちですが、利便性やコスト面でも、だいぶ改善されているようです」

そこで小沢さん、そしてEV車情報サイト「EV smart ブログ」を運営するアユダンテ代表取締役の安川洋さんに、EVのメリット・デメリットを教えてもらった。

■「補助金」

EV購入のハードルといえば、ガソリン車に比べ割高な本体価格。国産車でも400万円が主流だ。

「そのぶん、補助金が増額されています。従来のEVへの補助金(令和3年度は最大約40万円を予定)のほかに、3月から環境省が最大80万円、経済産業省が最大60万円の補助金制度を開始。3つのうちどれか1つを選んで受け取れます」(小沢さん)

環境省の補助金を得るための条件は、ごく簡単なもの。

「政府の調査モニターに参加し、自宅の電力を100%再生可能エネルギー電力に変更するのが条件。電力変更は、ネットや申込用紙を通じて切り替え申請をするだけです。ただし、電力を再エネにすると、わずかに電気料金が上がる可能性もあります」(安川さん・以下同))

国ばかりでなく、都道府県、市区町村からも補助金があれば、重ねて受け取れる。

たとえば東京都では、これまで30万円だった助成金が令和3年4月以降45万円に増額される見通し。環境省補助金の対象となる場合さらに15万円が増額され、総額60万円に。また、EVの普及に力を入れている自治体も多い。たとえば江東区では一律10万円を補助。車種によっては最大150万円もの補助金が受けられることになるのだ。

■「充電」

「航続距離は300〜400キロ程度でガソリン車に比べると短いため、長距離を走る場合は、途中の充電スポットを計画的に探しておくことが求められます。日常的に数百キロ単位の移動をする人には、不便かもしれません。しかし、移動範囲が自宅近辺だったり、遠くても片道50〜60キロほどの走行なら、通常は自宅でフル充電しておけば十分です」

じつは24時間利用できる充電スポットのほうが同様のガソリンスタンドよりも多いのだそう。

「EVならガソリンスタンドに行く必要がなくなります。深夜のガソリンスタンドの利用が怖い、という人も安心です」

ただし、マンション住まいの人は要注意だ。

「マンションの駐車場に充電設備を設置しようとすると、賃貸の場合はオーナー、分譲の場合は管理組合の合意が必要になります。購入前に設置できるか確認しておいたほうがいいでしょう」

■「整備費用」

EVは新しい技術であるため、想定外の故障を念頭におくべきだが、ガソリン車に比べ整備費用と手間の面で大きなメリットがあると考えられる。

「たとえばガソリン車なら、5,000キロごとに、工賃含めて1万円ほどするエンジンオイルとエンジンフィルターの交換が推奨されていますが、EVにはエンジンがないのでその必要がありません。また、EVはブレーキパッドやディスクブレーキなどの交換も基本的には不要です」

■「乗り心地」

“EVはパワーで劣る”という先入観があるが……。

「坂道のパワー、振動の少なさ、雪道のブレーキの反応など、ガソリン車の走りを追求すると、EVに行き着く、といわれるほど高スペックです。モーターはエンジンより小さいため、車内が広いという特徴もあります」

高いというイメージのあるEV。だが、本誌が試算したところ、標準的なEVとされる日産リーフSの7年間にかかる総費用(購入費含む)は約213万円ということがわかった。同じ5人乗りのガソリン車と比較してみると、主婦に人気のあるA社コンパクトカーの7年総費用よりも安い。年間走行距離が長くなったり、整備費用を入れた場合、リーフのほうがさらに安くなる可能性もある。しかも、加速力や静寂性はEVのリーフのほうが優れるという。

’22年には軽EVが登場予定。車を乗り換え予定の人は、EVも要検討だ。

「女性自身」2021年4月13日号 掲載