「女性も一生懸命生きるとどこかでガタがきます。人生100年といわれるいま、更年期に差しかかるあたりはもっとも悩ましい時期ですから、自分に合ったメンテナンス法を獲得しておくことが大切です」

こう話すのは天神レディースクリニック院長森智恵子先生。精神科指定医・産婦人科専門医・麻酔科認定医の資格を持ち、女性の体をトータルで診断・治療する。

「『かゆい』『匂う』『むくむ』といった、人には言いにくい不調があらわれるのも更年期。病気が隠れていることもありますが、セルフケアで症状の改善や予防につながることも多く、『年だから』と諦めず前向きな改善を目指しましょう」

そんな、「加齢に伴う女性の体の悩み」について森先生に聞いた。

【悩み1】髪が全体的に薄くなってきた

「生え際が明らかに後退し、分け目の地肌の透け度が上がるばかり(泣)。明るいところで 鏡を見るたびにぎょっとする」(54歳・団体職員)

〈自宅で取れる対策〉 ・ヘアカラーやパーマは控えめに ・血流改善に頭皮マッサージを ・増毛成分「ミノキシジル」を服用

「女性は産後と更年期以降、毛量は減少します。更年期以降ならホルモン補充療法で多少改善します。話題の増毛成分「ミノキシジル」は内服すると効果が高く、体毛も増えることがネックですが産毛をマメに剃(そ)ればよいだけ。ただし降圧作用もあるので医師の指導のもとで服用を。頭皮マッサージや、シャンプー、トリートメントは天然成分のものを選ぶなど、まめなケアでダメージを防ぐことも髪を守るコツです」(森先生・以下同)

【悩み2】足が象さんみたいに パンパンにむくむ

「夕方になると足がむくみ、疲れた日はパンパンになり靴が脱げません。象のようになってしまいそうで怖いです」(48歳・アパレルブランド勤務)

〈自宅で取れる対策〉 ・“第二の心臓”ふくらはぎの筋肉を動かす ・着圧ソックスorストッキングで浮腫予防 ・血流が滞るので座りっぱなしは禁物

「足を常に動かし血流を促す工夫をしましょう。長時間の座り仕事をするときは、ゴルフボールを足の下で踏むなどふくらはぎの筋肉を使い血流を促進します。継続が大事ですが、エクササイズが難しいなら着圧ストッキング、着圧ソックスならはくだけ。静脈瘤(じょうみゃくりゅう)もできにくく足も疲れません。暑がり女性には涼しい綿の着圧ストッキング「RELAXSAN(リラクサン)」がおすすめ。私は20年愛用し、いまの季節は手放せません」

【悩み3】肌が我慢できないくらいかゆい

「50歳を過ぎたころから季節の変わり目にサメ肌のように乾燥して、我慢できないかゆみを伴います。改善できないでしょうか?」(55歳・ヨガ講師)

〈自宅で取れる対策〉 ・マイルドなステロイド剤と保湿剤を併用 ・朝はお湯だけで洗顔を ・お風呂は短めに&温度もぬるめに

「更年期を過ぎるとドライスキンになるのは自然なこと。マイルドなステロイド剤「ロコイド」や「キンダベート」で炎症を抑え、「ケラチナミン」やヘパリン類似物質「ヒルドイド」でまめな保湿を心がけて。必要に応じてかゆみ止めの服用が一般的な治療です。根本的にはコラーゲンがない限り、水分を与えても肌に浸透しないので、美容皮膚科でコラーゲンを増やす治療も有効。顔に強い乾燥を感じるなら、朝はお湯だけで洗顔するなど刺激を抑えること。体ならお風呂は短めで温度も低めに。かきたくても我慢し、冷やすのがかゆみを鎮めるコツ」

原因と理由、対応策を知って解決しよう!