「足腰が弱る」のは「足指が弱る」ことから始まるという。なかでも、小さくて頼りなさそうな小指にこそ、全身の不調を根本から防ぐ大きな力が。足の小指を鍛えることで、連動するふくらはぎのポンプ機能を改善。血流をよくして一生歩ける足をつくろうーー。

「姿勢のよさや骨盤の位置の正しさなどを気にされる方が多くいらっしゃいますが、私がいちばん言いたいのは足の指の大切さです」

こう話すのは、『【痛み疲れ しびれ解消】足の小指を動かせば一生歩ける』(池田書店)の著者で、のべ23万人の体と4万本以上の足の指をみてきた幹整体院代表の倉幹男さん。

「整体の施術によって腰痛やひざ痛などの痛みがとれても、再び全身のバランスをくずし、すぐに同じ症状をぶり返す人が多いのはなぜか考えました。その結果、地面と接する足指の力が弱く器用に動かせないため、正しい姿勢が保てずに体がゆがんでしまう人が多いことがわかりました」

足腰の不調は足指が弱ることから始まる場合が多く、そのまま筋トレをしたり背骨や骨盤を矯正したりしても、不調が治らない可能性があるという。

というのも、外反母趾や内反小趾など、足の指に関わる骨がゆがんだままの状態で歩き続けてしまうと少しずつ負荷が積み重なり、体のあらゆる骨がずれて不調が起こるのだそう。健康のためにといって、ウオーキングや筋トレをしてもかえって体の不調を引き起こすことになりかねないようだ。

また、腰痛や肩こりのほか、足の冷え、むくみがある人の足の指も調べたところ、約97%の人に足の指の間が開かないなどの機能の低下があったとか。そして特に40代以降の女性にこれらの症状が多かったという。そこで、足の指が体に与える影響と仕組みについて詳しく伺った。

■“開く” “動かす” “握る”足の小指をトレーニング

全身の柱となる骨や筋肉を支え、土台となる10本の小さな指たち。なかでも左右2本の小指には重要な働きがあるという。

「足の小指は、“第二の心臓”であるふくらはぎを動かすスイッチになっています。足の小指が自在に動くようになれば、ふくらはぎのポンプ機能が働き、足の先までスムーズに血液が流れるようになります。そうすると、冷えやむくみも解消されていきます」(倉さん・以下同)

手の小指を動かすと手首とひじの間の前腕の筋肉が動いたり、盛り上がったりするのがわかるが、同様の作用が足先からひざ下にかけても起こる。そのため、小指を動かすことでふくらはぎの筋肉も大きく使えるようになるのだ。

また、20代から下降し、70代では毛細血管の距離がピーク時の半分まで減るといわれているが、足の指が動くようになると、体が足の指先の毛細血管も必要だと認識し、復活するという。倉さんのもとを訪れる人のなかには、足の小指の爪が米粒の半分ほどしかなかったが、トレーニングを重ねて、しっかりとした爪が生えてきたという人も多くいるそうだ。

「健康な足の小指の特徴として“しっかり外側に開く”“器用に動かせる”“小指に力を入れて握れる”の3つが挙げられます」

この3つができるようになると、体の外側を支える小指がしっかりと機能し、ふらつかずに歩けるようになり、骨のゆがみも解消されていくという。

そこで今回は、倉さんが考案した「足づかみセラピー」の中から、足の指をほぐす3つの体操を紹介。この体操を日常生活に取り入れて、一生歩ける足に鍛えていこう。

【1】まずは準備体操!「足指ほぐし」

足の指を1本ずつ手で持って、ゆらしたり回したりしてほぐす。指1本につき5回ずつ。反対側の足も同じように行う。

【2】ときどき、ながら体操!「太ペンはさみ」

10分間、親指と小指の股それぞれに、太い油性ペンくらいの太さのペンをはさむ。足の指をパーの形にうまくできない人におすすめ。

【3】痛み・疲れ・しびれを解消!「足指グーパー体操」

(1)足の指をすべて曲げてグーをつくる。足先だけでなく指のつけ根から曲げる。特に小指から中指を、指のつけ根の骨が出るくらいしっかり握る。 (2)パーの形をつくるように足の指を開く。特に親指と小指をしっかりと開く。親指と小指が外側に開いている形に。 (3)(1)〜(2)を繰り返す。反対側の足も同じように行う。

倉さんからはこんな助言も。

「足のトラブルを防ぎ、器用に動くように鍛えるためには、靴選びも重要です。つま先部分は1〜1.5センチ空いており、締め付けがなく、ほどよいかたさがあり、歩いたり走ったりしても足にフィットする靴が理想です」

また、家にいるときはできるだけはだしになって足を解放しておくとよいのだそう。自然と足が痛くならないように歩くため、腰への衝撃も軽減できるという。体操と併せて実践してみよう。