「毎年9月に発売されるマクドナルドの月見バーガーは、依然根強い人気を見せています。月見バーガーを求めて行列ができる店舗も多数あるといいます。Twitter上でも『#月曜日は月見曜日』のハッシュタグが月見バーガーの写真とともに投稿されてトレンド入りするなど、盛り上がりを見せています」(外食ジャーナリスト)

今年で発売から30周年を迎えるマクドナルドの人気期間限定商品「月見バーガー」。今では日本の秋の風物詩の一つとなり、最近では'16年にケンタッキー・フライド・チキンが、『とろ〜り月見サンド』を、`17年にはロッテリアが、『和風半熟月見バーガー』を発売し、牛丼チェーンの吉野家でも、今年から『月見牛とじ御膳』が発売されるなど、外食業界での“月見ブーム”は広がるばかり。

なぜ、日本人はこうも“月見”と名のついた商品に惹かれるのか。その理由について、日本ネーミング協会会長の岩永嘉弘氏さんはこう分析する。

「音感や語感などももちろん関係していると思いますが、月見という言葉のもつイメージと、やはり秋の風物詩でありこの季節にしか食べられない限定感が、この根強い月見ブームの理由でしょうね」(以下、カッコ内はすべて岩永さん)

もちろん、商品そのものの魅力も大きいようだ。

「もともとお団子のイメージが強いお月見。ハンバーガーに月見と名付けるなんて、よくよく考えてみたらとても奇天烈な発想です。そんな商品名自体の発想の面白さも、購買者の心をガッチリと掴んでいるのかなと思います」

さらに岩永さんは、古来から続く日本人の“月見好き”を指摘する。

「もともと古くから中国では、月を見ながら歌を歌ったり、お酒を飲んだりご飯を食べたりする“月の宴“が行われていました。その風習が平安時代以降に日本に入ってきて、まず貴族の間で広まりました。

以降、日本人は長年お月見を楽しんできて、月=綺麗なもの、神聖なもの、神秘的なものなどと連想する傾向がとっても強い。有名な逸話ですが、夏目漱石がアイラブユーを『月が綺麗ですね』と訳した話なんかもその例ですね。

そうしたこともあり、商品名に月見が付く場合と付かない場合とでは、季節感や限定感、すなわち特別感が全然違ってきて、購買者側の商品に対する位置付けがまったく変わってくるのです」

日本人の“月見商品”好きは古来からの“遺伝”なのかもしれない――。