一時金や保険料を自分で組めることが魅力の民間の介護保険だが種類がたくさんあり選びづらい! できるだけ手厚く、損しないためにはどうすれば? そんな悩みに、専門家が解説しますーー。

「最近、物忘れが激しくて」 「老後、寝たきりになったらどうなる?」

若いころは健康自慢だったのに、アラフィフから急速に衰えを感じて「将来が不安」という人は多い。

要介護認定を受ける人は近年、じわじわ増え続け、いまや650万人を超えている。

「要介護状態になったら介護度に応じて、かかった費用がカバーされる公的介護保険を使えます。自己負担はかかった費用の1割負担ですみます。ただし老後の身体状態によって在宅なのか、施設に入居するかで費用は雲泥の差があります。健康に不安があるなら、蓄えがないとかなり苦しくなることを想定しておかないとなりません」

こう話すのは『商品名がズバリわかる! 保険 こう選ぶのが正解!』(実務教育出版)の著者であるファイナンシャルプランナーの横川由理さん。

生命保険文化センターの調べでは、要介護状態になったときかかる介護費用月平均は7.8万円。ただし在宅の場合で施設に入ると最低平均13万円必要という試算もある。

「特別養護老人ホームに入居できればこの金額でカバーできますが、待機待ちは当たり前です。有料の老人ホームだとこの倍は必要でしょう」(横川さん・以下同)

■一時金をもらえる保険がおすすめ!

そこで検討したいのは民間の介護保険だが……。

「老後資金は預貯金で蓄えたり、投資信託で運用して準備できるならいいでしょう。しかし私の相談者の中には、どうにも預貯金や運用がうまく いかない人もいます」 そこでセレクトするのが「要介護」と診断されたら一時金で受け取れるタイプの介護保険。

「一時金の使い道は自由です。要介護になっても、旅行へ行くなど生きがいにつながる使い方も可能。一度は行ってみたかった国を訪れるのもよし。世界一周クルーズをして『元気になっちゃいました』となれるならいいですね」

さっそくセレクトしてくれたのが次のベスト5だ。

「それぞれ個性があります。一時金のみを一度だけ受け取るシンプル設計の商品や、特約で一時金を付帯するものまで。注意すべきは若いころの月額保険料は安くとも年齢に応じて上昇するタイプのもの。85歳、90歳まで(一度も介護認定を受けず)元気で払い続けたら支払総額がいくらになるか試算することは鉄則です」

これを踏まえ、おすすめの保険を横川さんとともに見ていこう!(※月額保険料は女性で試算)



■人によって選択肢は多様! 懐ろ事情と相談を

【1】朝日生命「あんしん介護」 〈保険料〉40歳加入:1,698円/50歳加入:2,580円 〈一時金がもらえる介護度〉要介護3以上 〈試算要件〉介護一時金のみ200万円 〈払込み期間〉終身払い 〈診断一時金上限(最高いくらまで入れるか?)〉60歳以下:5,000万円以下/61歳以上:3,000万円以下 〈概要〉要介護1以上になると保険料払込み免除となる。要介護3以上になると一時金が受け取れる。そのほかに、要支援2以上の認定で保険金を一時金で受け取れる「あんしん介護要支援保険」もある。※いずれも加入にあたっては所定の要件があります。

「一時金のみで加入できるシンプルな設計となっているため、月額保険料が安く、ずっと保険料が変わらないのが特徴です。要介護1以上になると保険料が払込み免除になるのも“あんしん”ですね」

いまは元気だが、蓄えがないので少し心配という人はこのくらいなら負担にならないかも。

【2】SOMPOひまわり生命「健康のお守り」 〈保険料〉40歳加入:2,846円/50歳加入:4,124円 〈一時金がもらえる介護度〉要介護1以上 〈試算要件〉介護一時金200万円、入院日額3,000円(限度額60日)、手術・先進医療あり 〈払込み期間〉終身払い 〈診断一時金上限(最高いくらまで入れるか?)〉500万円 〈概要〉医療保険を主契約として介護一時金を特約で付帯することができる商品。加入可能年齢は15歳から80歳。要介護度別認定者数で最大の割合を占めている、要介護1以上と認定された場合、最大500万円の一時金が受け取れる。保険金額の設定は最低10万円より可能。一定の条件のもと、一時金を年金で受け取ることも可能。

「医療保険を主契約として、特約で介護一時金を付帯する商品です。公的介護保険の要介護1以上でもらえるのが最大の特徴です。入院給付金を3,000円に設定すると月額保険料を抑えることができます」

一時金を年金で受け取ることも可能なので使い勝手もよさそうだ。

【3】東京海上日動あんしん生命「あんしんねんきん介護R」 〈保険料〉40歳加入:1万270円/50歳加入:1万2,590円 〈一時金がもらえる介護度〉要介護2以上等 〈試算要件〉介護年金(主契約)30万円(10年有期年金)介護一時金特約100万円、認知症一時金特約100万円 〈払込み期間〉終身払い 〈診断一時金上限(最高いくらまで入れるか?)〉200万円 〈概要〉契約時に定めた年齢までに要介護2以上等に認定されなければ、支払った保険料のうち主契約部分が還付される。主契約は年金であるため初期費用に備える「介護一時金特約」や、認知症や軽度認知障害(MCI)と診断された場合に備える「認知症一時金特約」が付帯可能。なお、特約保険料は健康還付給付金の対象にならない。

「介護保険は、生涯介護認定を受けることがなければ月額保険料は掛け捨てになります。ですが、この商品は契約時に定めた年齢までに要介護2以上と認定されなければ主契約のみの払った保険料が戻ってくるというのが最大の特徴です。還付を受けたあと、保険を継続するにはこれまでと同じ保険料を支払うことになります」

掛け捨てに抵抗があるという人は検討の余地ありだ。

【4】アスモ少額短期保険「介護その時に」 〈保険料〉65歳加入:770円/75歳加入:3,077円 〈一時金がもらえる介護度〉要介護2または3(※1)、要介護4または5(※2) 〈試算要件〉重度介護保険金200万円、軽度介護保険金30万円、加入可能年齢65〜84歳 〈払込み期間〉100歳まで自動更新 〈診断一時金上限(最高いくらまで入れるか?)〉300万円 〈概要〉充実・お手頃・ちょこっとプランから選べる。上記は「お手頃プラン」で試算した保険料。(※1)要介護2または3と診断されたら一時金が30万円、その後さらに(※2)要介護4または5と診断されたら一時金200万円が受け取れる。70歳以降は1年ごとに保険料が上がる。

「こちらはいまはやりの少額短期保険で65歳から加入できる商品です。重度介護保険金と軽度介護保険金の段階があり、要介護2または3と診断されると一時金がもらえ、その後要介護度が4以上になると再度受け取れるというもの。加入を検討するなら、細かい試算にはなりますが90歳まで元気でいた場合の総支払額も押さえておきましょう」

【5】コープの介護保険 〈保険料〉40歳加入:80円/50歳加入:210円 〈一時金がもらえる介護度〉要介護2以上 〈試算要件〉介護一時金200万円、傷害死亡保険金100万円、コープ組合員であること。5年ごとに保険料が上がる 〈払込み期間〉月払い(保険期間1年・更新型) 〈診断一時金上限(最高いくらまで入れるか?)〉700万円※満80歳以上は300万円コース以下で継続となる 〈概要〉5年ごとに保険料は上がる。参考として80〜84歳になると月額保険料は1万510円となる。90歳以降の補償はない。

「40代で加入すると80円ととても保険料が安い。これは5年ごとに保険料が上がりますから、こちらも介護認定を受けず元気で払い続けた場合に、総額いくらになるか試算しておくことは鉄則です」

結局、介護保険とは、70代くらいの若いうちに介護認定を受けるとお得なのだ。

90歳、100歳までピンピンおばあちゃんになれるのか? 自分の健康状態はどうなのか見極めることが大事だ。