本当はもらえたお金なのに、制度を知らないばかりに損しているという人も多いかも……。コロナ禍によって、さらに増えたお金を補助するさまざまな制度。あなたも対象でないか、一度確かめようーー。

「オミクロン株の感染拡大など、まだ先行き不透明な社会情勢で、お金の不安は尽きません。しかし、国や自治体にはセーフティネットとして“申請するだけでお金がもらえる制度”がたくさんあるのです」

そう語るのは『コロナ不況で困った人が「申請」だけでもらえるお金払わなくてもいいお金』(宝島社)の監修本もある、ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんだ。

こうした制度の存在を、行政側がわざわざ教えてくれることはまれだ。自分で申請しなければならないが、そもそも存在を知らなければ申請のしようもない。

「コロナで困窮した人のために、新制度が作られたり、これまであった制度が拡充されています。まずはどのような制度が存在するか、知りましょう」(風呂内さん)

そこで、『「届け出」だけでお金がもらえる制度一覧』(三笠書房)を監修した、特定社会保険労務士の小泉正典さんも加えて、どんな制度があるかを教えてもらった。



■コロナ禍で活用したいお金

これまで社会保険加入者に限られていた傷病手当金が、コロナ感染に限っては非正規労働者などにも拡大されている。ぜひ、自治体の窓口に相談しよう。

コロナによる減収で、家賃が払えなくなったら、住居確保給付金などを利用できる。

「離職や廃業した人が対象の制度ですが、コロナ禍での休業に伴い収入減となった人も対象です。コロナに特化した制度としては、上限20万円まで、無利子で融資が受けられる緊急小口資金などがあります」(小泉さん)

【給与が減って家賃が払えない(住居確保給付金)】変更アリ もらえるお金:単身世帯5万3,700円、2人世帯6万4,000円など(東京都) 申請窓口:市区町村の自立相談支援窓口など

「離職や廃業した人を対象にした支援。コロナ禍の休業に伴う収入減となった人も、生活基盤である家を失うことがないように、家賃の一部を支援してくれます。支援期間は原則3カ月、最長9カ月まで。資産額や収入などの諸条件があります」(小泉さん)

【勤め先が倒産してしまった(失業給付)】 もらえるお金:賃金日額の約45〜80% 申請窓口:ハローワーク

「定年、倒産、契約期間の満了などで離職したのち、次の就職までの収入を確保するための制度。離職前の2年間で、12カ月以上の被保険者期間があって、再就職に意欲的な人は、賃金日額の約45〜80%×給付日数分の失業給付金を受け取れます」(小泉さん)

【コロナ禍でお金を借りたい(緊急小口資金・総合支援金特例)】期間限定 もらえるお金:上限20万円以内 申請窓口:居住地の社会福祉協議会(’22年3月まで)

「新型コロナの影響で収入が減少した場合、上限20万円以内が無利子で借りられるのが、緊急小口資金。総合支援金特例は失業や収入減で生活困難と判断されれば、単身者で月15万円以内、2人世帯で月20万円以内、最大3カ月分が無利子で借りられ、返済期間も10年と長期」(小泉さん)

【お金がなくて国民年金が払えない(国民年金の免除・納付猶予)】変更アリ 得になるお金:最大で国民年金保険料の全額 申請窓口:居住地の国民年金担当課

国民年金保険料の支払いを免除または納付猶予してもらえる制度。「既存の制度で、かなり年収の減り方が大きくないと認められませんでしたが、コロナ禍によって、臨時措置として、簡易な手続きでも申請が可能に。また、免除ではなく納付猶予も申請できます」(小泉さん)

【コロナなど病気やけがで会社を休んだ(傷病手当金)】変更アリ もらえるお金:給料の約3分の2 申請窓口:健康保険組合窓口など

会社の健康保険加入者は、仕事を休んだ4日目以降から通算して1年6カ月、給料の約3分の2が支給されます。新型コロナで「陽性」と判定され入院したり、自覚症状があって療養している人も対象。「国保の人も、コロナに限り、自治体によって支給を受けられるケースも」(小泉さん)

【アルバイトやパートのシフトが入らない(休業補償・新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金)】変更アリ もらえるお金:給料の80%(休業支援金の日額上限は1万1,000円) 申請窓口:ハローワークや厚労省窓口

「会社都合で休業させる場合、事業主が労働者に給料の60%を保証します。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置による営業時間短縮などに協力する施設の労働者の場合、正社員でなくても一部、補償を受けられます。賃金の80%、日額上限は1万1,000円です」(小泉さん)



■住まいにかかわるお金

住宅ローンを組んでいる場合、所得税などが控除される“住宅ローン減税”は、今年から内容が変更される見通しだ。

コロナ禍で実家の近所に引っ越しを検討している人は、UR物件の家賃が5%安くなる近居割を考慮しておきたい。

また、最近とくに気になる地震。耐震シェルターに対する費用を助成してくれるケースもある。

「自治体によっては、ベッド周りにフレームを設置するなどの費用を出してくれます」(小泉さん)

工事を始める前に自治体に相談してみよう。

【住宅をローンで購入した(住宅ローン減税)】変更予定 得になるお金:13年間で最大273万円 申請窓口:税務署で確定申告

’22年からの変更が予定されているのが、住宅ローン減税。「’21年の購入の場合、上限4,000万円の住宅ローンの残高に対し、10年間で400万円などが減税されていましたが、’22年購入は上限3,000万円の住宅ローンの残高に対し13年間で約270万円の減税など条件が変更に」(風呂内さん)

【実家の近所に引っ越した(近居割など)】 得になるお金:家賃の5%(URの場合)など 申請窓口:URや市役所など

「転居してもらうことで住民税などが得られるため、一部の自治体では、両親が住む同じ区域に、子どもや孫のファミリー世代が転居することなどを条件に、家賃の補助を行うケースも。URなどでも近居割の制度があり、家賃が割り引かれるなどの取り組みがあります」(風呂内さん)

【荒廃した空き家を処分したい(老朽危険空家除却費用の助成制度など)】 得になるお金:上限150万円など(東京都杉並区の場合) 申請窓口:各市区町村の窓口

「手入れが行き届かず、倒壊の恐れがあると判断された場合、自治体が解体工事の費用を一部負担してくれるケースがあります。年間所得などの条件もありますが、30万〜100万円を上限として設定しているケースが多いようです」(小泉さん)

【最近頻発する地震が怖い(耐震シェルター等設置補助)】 得になるお金:最大50万円など 申請窓口:各市区町村の窓口

耐震シェルターに対する費用を一部自治体では助成している。

「ベッド周りにフレームを設置したり、物が倒れてもガードしてくれる防災ベッドの購入に対するものです。練馬区の場合、65歳以上の人や障害がある人がいる世帯などに対し最大50万円、費用負担をしてくれます」(小泉さん)

【耐震工事をしたい(耐震補強助成金)】 もらえるお金:上限100万円など 申請窓口:各市区町村の窓口

「昭和56年以前に建築された木造住宅は、現在の耐震基準に合わない場合があるので、耐震工事に対して助成金を出してくれる自治体があります。最大100万円ほどで設定している自治体が多いようです。また、耐震診断を無料で行ってくれるケースも」(小泉さん)

【自宅をリフォームしたい(住宅リフォーム助成制度)】 得するお金:上限5万〜100万円など 申請窓口:各市区町村の窓口や施工業者

「エコ・省エネなどの設備工事、バリアフリー工事、屋根のふき替えや防水工事などに対して、助成金を出す自治体が多いです。一定の条件があるので、工事を決める前に自治体の窓口などに相談しましょう」(小泉さん)

こうした制度は、収入や家族構成などに加え、期限や予算枠などが決められていることもある。自分がこれらの制度の対象かもしれないと思ったら、速やかに窓口に問い合わせてみよう!

※1月14日現在の情報。各制度には諸条件があり、自治体によって行われていないことがあるので、詳しくは窓口に問い合わせを。