夏だけでなく冬にも多発するニオイ問題。厚着で出かけて汗をかいてしまう、ブーツが蒸れる、鍋の後に部屋や洋服にニオイが染みつく、などニオイの種は尽きない。

冬場は「汗をかきにくくなることで、かえって体臭がきつくなりやすい」と話すのは、予防医学や生活習慣病に詳しい医師の桐村里紗さん。

「日常的に汗をかいていないと、体温調整に関係しているエクリン汗腺の機能が低下して、汗がベタベタしてきます。本来、再吸収されるはずのミネラルが、汗腺の機能低下によって再吸収されずに汗と一緒に出てしまうんです。ミネラルを含んだ汗は、皮膚の常在菌のエサとなり、臭いを発しやすくなってしまいます」

そこで今回、冬のニオイ問題への対処法をニオイの専門家である桐村さんと臭気判定士の松林宏治さんに伺った。

■実は冬のほうが臭いやすい汗のニオイへの対処法

【(1)お風呂で汗をかく】 衣類の内側からあがってくる、汗のニオイには、汗自体を臭いにくいものに変えることが重要だ。日常的に汗をかきにくい冬場は、汗腺の機能が低下してニオイの元となる成分を多く含んだベタベタ汗が出るように。ふだんから入浴や運動によって汗をかいておくと、汗腺の働きが落ちずに汗が臭いにくくなる。

【(2)消臭インナーを活用】 冬場は汗をかいても重ね着によって通気性が悪く、ニオイが発生しやすい。防臭機能付きのインナーを着用すれば、手軽に防ぐことができる。

【(3)除菌アルコールをシュッ!】 外出先でニオイが気になるときには、コロナ禍で持ち歩いていることも多い手指消毒用エタノールが活躍。ニオイが気になる部分に塗布すると原因菌を除菌してくれる。ウエットティッシュなどで拭いてもよい。

「冬場でも湯船につかったり、有酸素運動をしてふだんから汗をかくことで、汗腺の働きを維持するようにしましょう」(桐村さん・以下同)

■冬に気になる頭皮のニオイへの対処法

冬場に気になる頭皮のニオイは、乾燥が原因だと桐村さん。

「乾燥しやすい冬場に、界面活性剤が入っている洗浄力の強いシャンプーで洗うと、頭皮の油分を取りすぎてしまいます。その結果、頭皮を守ろうとして、かえって皮脂が過剰に分泌される場合がありニオイの原因になるのです」

シャンプーで洗いすぎたり、熱いお湯で洗うと頭皮が乾燥し、皮脂が過剰に分泌されて臭ってしまう。シャンプーの頻度を一日置きにしたり、お湯だけで洗う日を作るとよい。皮脂をとりすぎないマイルドなアミノ酸系のシャンプーに替えるのも有効だそう。

専門家がすすめる冬のニオイへの対処法を、ぜひ参考にしてほしい。

【PROFILE】 松林宏治さん 臭気判定士。通称におい刑事。総合病院から一般家庭まで、あらゆるニオイ問題を手掛ける株式会社共生エアテクノ代表 桐村里紗さん 内科医。著書に『腸と森の「土」を育てる〜微生物が健康にする人と環境〜』(光文社新書)など