「家の中で、主婦の“お城”といえるのがキッチンです。家計が赤字と嘆いている人のお宅を拝見すると、床に物が積まれ、流しの中に使った食器がそのまま置かれていたり、とても居心地のよい空間とはいえない家庭がほとんどなんです」

こう話すのは、マネーコンサルタントで7,000人以上の女性のお金の悩みを解決してきた市居愛さん。「家計整理アドバイザー」の育成も手がける市居さんは次のように語る。

「家計の節約のなかで、食費の占める割合は大きいもの。キッチンが乱れていると、料理をする意欲が失せがちになり、割高な外食や出来合いの総菜の比率が高くなる傾向が顕著。食費の節約にはまず料理をする気になるような整ったキッチンにする必要があるんです」

なかでも、市居さんがキッチンで「食費を減らす」もっとも重要な場所というのが冷蔵庫だ。

「毎日、買ってきた食材をすぐさま冷蔵庫に無造作に入れて、一度入れてしまうと賞味期限を忘れて、野菜やソースなどを腐らせてしまうこともしばしば。同じものをまた買ってきたりもして、結局捨ててしまうことになる。これは冷蔵庫の中でお金を腐らせている状態。とりあえず冷蔵庫の中をきちんと整えるだけで、現在の食費の出費を2割ほど減らすことができます」

冷蔵庫の中のムダを減らすだけで、食費を2割も削減できる? にわかには信じがたい人も多いだろうが、さっそく市居さん流の「冷蔵庫の整え方」を教わっていこう。



■冷蔵庫の中身をすべて出して整理する

「多くの家の“物置化”している冷蔵庫を一気に整えるには、本当に必要なものだけを必要なぶんだけしか入れない見切りと覚悟が必要になります」

最近の家庭に多い500リットルサイズの冷蔵庫を参考にして、

「まず最初に、中に入っている食材をすべて出すことから始めます」

食材が温まらないように、手早い作業が肝心。初めは冷蔵室の上部と扉ポケットにある食材をとにかくすべて取り出し、テーブルに並べる。

「新商品だったので買ってそのままのドレッシングや、使いきれなかったすき焼きのタレ、いつ使ったかわからないジャムなど、賞味期限切れやもういらないと思うものは端によけてください」

そして、各棚に改めて食品を入れ直す。

このとき、賞味期限のある食品はその日付をメモしてから戻すようにする。

「冷蔵庫の棚が4段の場合、1段目は嗜好品類、2段目は日常必需品、3段目は作り置きのおかずや生菓子など1〜2日で食べきるもの、4段目は空きスペースにして、その日に使う食材や作り置きの鍋をそのまましまえる場所にしておきます。この配置を常にキープすることで、冷蔵庫の中で腐らせることを極力防ぐことができます」

この際、大切なのは、なるべく奥まで物を入れないこと。

「今の冷蔵庫は背が高く、高い位置の棚の奥は女性ではなかなかのぞけず管理が行き届きません。物はできるだけ手前に置くことです」

次に、テーブルの端によけておいた死蔵品の点検だ。

「捨てる前にメモでリストにして、今回捨てることになった食品は二度と買わないようにするのが節約の鉄則。ジャムなどはなるべく1回で食べきれるサイズの瓶にする。豆板醤など、いつ使うかわからないけど必要と思っている調味料がある家庭は、なくても料理はできると割り切る勇気が節約には必要です」



■冷凍室&野菜室も種類や色別に整理

冷蔵室をすっきりさせたら、冷凍室に移ろう。

「同じように手早く一度すべてをテーブルに並べ、冷凍食品などの賞味期限をチェック。冷凍室の中をご飯、うどんなどの主食、冷凍食品、作り置きおかずなど、種類別に仕分けして入れ直します」

この際も、賞味期限切れの食材があれば捨て、食品名をメモする。

「最近の家庭の冷凍室にあるものでもっともムダなものは保冷剤です。1〜2個を残して、あとはすべて捨ててしまってください」

最後は野菜室。

「ほかの野菜に埋もれて見えなくなっているものを腐らせがち。すべての野菜が一目で見えるように、なすなら紫、ピーマンやいんげんは緑、大根やかぶは白など、色別にまとめて置いておくと、栄養素の偏りも自然とチェックできて、家族の健康にも役立ちます」

冷蔵庫の中のいらないものを整理して、最も「お金の滞る場所」を整え「入出金」を視覚化し、お金が貯まる体質に変わろう!

【PROFILE】 市居愛 最新刊『超ズボラな人でも毎月3万円貯まる! 「お金じょうずさん」の小さな習慣』(PHP研究所)が話題のマネーコンサルタント。お金と暮らしを整える「家計整理アドバイザー」の育成にも注力している