小麦製品の値上げラッシュが家計を直撃するなか、食卓の救世主となるのが価格安定の「お米」だという。簡単にできる“置き換えレシピ”でピンチをおいしく乗り切ろうーー!

「えっ! パンとパスタって、この間、値上がりしたばっかりなのにまた上がるの!?」(60代主婦)

そんなため息まじりの声が飛び交うのも無理はない。今年1月に小麦製品が最大13%値上がりしたにもかかわらず、7月から再びパンやパスタなどが続々と値上げされるのだ。

「山崎製パン」は7月1日に「ロイヤルブレッド」「超芳醇」など141品目を平均7.1%値上げ。同日に「フジパン」は食パンで約2〜9%など、それぞれ値上げする。

さらにほかの小麦製品では「ニップン」と「昭和産業」が7月1日に小麦粉やホットケーキミックス、8月1日にパスタや乾麺などの値上げに踏み切るのだ。

輸入小麦は日本政府が買い付けて国内メーカーに分配するが、その「政府売渡価格」は今年4月期に17.3%の引き上げ。さらに……。

「今年10月には『約40%も引き上げられる』と予測する専門家もいます」(全国紙記者)

そんな異常事態のなか、価格安定で注目されているのが、われらが「お米」。

4月の「全国のスーパーで売られているお米5キロ」の平均価格は1982円で、前々年同月比91.7%と大幅安(「小売物価統計調査による価格推移」HPより)。

相次いで食品の値上げが発表されるなか、なぜお米は値下げされているのだろうか。

「もともと自給率100%に近い米が、昨年は豊作であったうえに、コロナ禍での外食産業などの落ち込みで、余っているのが値下がりの一要因です」(前出・記者)

そうなったら、小麦粉で作っている料理を、お米で代用したらずいぶん安上がりにできるのでは?

「お米は意外と、どんな料理にも合います。さらに、ひと工夫で小麦粉の代わりにも、ホットケーキミックスの代わりにも大変身してくれる万能食材です」

そう話すのは、栄養士で料理教室の講師でもある今井真理子さん。今回は家計を守るアイデアとして「小麦製品」を「お米」に代用したレシピ5品を紹介してもらった。



■パスタの代わりに!「飯ボナーラ」

【材料】2人分 ご飯…300g 玉ねぎ…1/4個 ベーコン…2枚 卵…2個 粉チーズ…大さじ3 サラダ油…小さじ2 仕上げ用:卵黄…2個、黒こしょう…適量、粉チーズ…適量

【作り方】 〈1〉玉ねぎをみじん切りにし、ベーコンは1cm角に切る。 〈2〉卵を割りほぐし、その中に粉チーズを加えよく混ぜる。 〈3〉フライパンに油を引き、中火で〈1〉とご飯を先に軽く炒めたら火を止めて〈2〉(卵ソース)を加えて、余熱で少しとろみがつく程度に全体を混ぜる。 〈4〉仕上げに、卵黄をのせ黒こしょうと粉チーズをふりかける。

「ご飯がソースを吸い込むため、ソースは少し多めが◎。卵ソースを加えるときは、卵に火が通りすぎないようにするため、火を止めてから余熱でとろみをつけるようにしましょう」(今井さん・以下同)

■お好み焼き粉の代わりに!「ご飯お好み焼き」

【材料】2人分 ご飯…200g 卵…2個 塩…小さじ1/3 こしょう…少々 キャベツ…100g 長ねぎ(みじん切り)…10g サラダ油…小さじ1(1枚ごとに) 豚バラ肉(薄切り)…100g お好み焼きソース…適量 マヨネーズ…適量 青のり…適量 かつお節…適量

【作り方】 〈1〉卵を割りほぐし、ご飯を加えて混ぜ合わせる。塩、こしょう、千切りにしたキャベツ、ねぎを一緒に混ぜて生地をつくる。 〈2〉フライパンに油を引き、中火で熱する。豚肉を3枚並べ、その上に生地1枚分(1/2)を流し入れて形を整えて焼く。 〈3〉焼き色がつき底から剝がれやすくなったら、裏返してもう片面も焼く。ヘラで軽く押し形を整える。 〈4〉焼き上がったら、お好み焼きソース、マヨネーズ、青のり、かつお節などをトッピングする。

「卵とご飯をしっかりと混ぜると崩れにくくなります。ただ、大きすぎると崩れる恐れがあるので最大でも直径20cmほどがオススメ。好きな野菜や海鮮系の具材を入れてもおいしいです」



■つなぎのパン粉代わりに!「ご飯バーグ」

【材料】2人分 ご飯(粗熱を取ったもの)…50g 玉ねぎ…1/4個 合いびき肉…200g 塩…小さじ1/2 こしょう…適量 ナツメグ…少々 卵…1個 サラダ油…小さじ1 ケチャップ…大さじ2 ウスターソース…大さじ3 水…大さじ3

【作り方】 〈1〉玉ねぎをみじん切りにし、軽く炒める。 〈2〉合いびき肉をこねて、ご飯、塩、こしょう、ナツメグ、卵を加えてしっかりと練る。 〈3〉〈2〉に〈1〉を加えて、しっかりとなじんだら(真ん中をくぼませて)成形する。 〈4〉フライパンに油を引き、強めの中火でハンバーグを焼く。焼き色がついたら、裏返して反対の面も焼き色をつけるように焼く。 〈5〉ケチャップ、ウスターソース、水を合わせたソースをかけて蓋をし、弱火で5分蒸し焼きにする。

「ひき肉にご飯を加えるときは、米粒を潰しながら加えると粒の感じがなくなりなじみやすくなります。温かいご飯だとお肉がだれてしまうため、冷ましたものを使いましょう」

■薄力粉、強力粉代わりに!「ライスピザ」

【材料】(直径6cmサイズが4枚) ご飯…300g 片栗粉…大さじ1 塩…小さじ1/4 こしょう…少々 サラダ油…大さじ1 ケチャップ…大さじ3 しらす…20g ミニトマト…4粒 ピザ用チーズ…80g 青ねぎ(小口切り)…お好みで

【作り方】 〈1〉温かいご飯に片栗粉、塩、こしょうを加えて混ぜ合わせる。 〈2〉フライパンに油を引き、〈1〉の1/4を6cmの円に広げて中火でこんがりと焼く。焼き色がついたら裏返してケチャップを全面に塗り、しらす、3等分に切ったミニトマトを並べ、ピザ用チーズをかける。 〈3〉蓋をして4〜5分蒸し焼きにし、仕上げにねぎをのせる。

「温かいご飯を使うことで崩れにくくなります。生地はしゃもじやスプーンでざっくりと混ぜましょう。生地の厚みは1cmほどがオススメ。形はしゃもじやラップで整えられます」



■ホットケーキミックス代わりに!「ご飯ドーナツ」

【材料】(直径3cmサイズが約25個) ご飯…200g 卵…1個 牛乳…40ml 砂糖…20g 米粉…100g ベーキングパウダー…4g サラダ油…適量 砂糖…適量

【作り方】 〈1〉ご飯、卵、牛乳をミキサーにかけて、ペースト状にする(粒は少々粗くてもよい)。 〈2〉〈1〉に砂糖、米粉、ベーキングパウダーを加えて混ぜ合わせる。 〈3〉〈2〉をスプーンですくって丸め、170度の油で揚げる。こんがりして浮かんできたら油を切り、温かいうちに砂糖をまぶす。

「温かいご飯を使うと粘り気が出てもちもちに。お好みで生クリーム、チョコレート、きな粉をトッピングしても◎。冷めて硬くなったときは600Wの電子レンジで10秒加熱すると、もちもち食感が復活!」

■お米は小麦粉よりも血糖値が上がりにくい!

「ポイントは、使用する料理によって『ご飯の温度』を変えること。もちもち食感を出したい『ご飯ドーナツ』には温かいご飯を。『ご飯バーグ』は具材をこねるときにお肉の脂が溶けてうま味が逃げないよう、粗熱を取って、冷ましたご飯を使うようにしましょう」

お米に置き換えると“お財布”以外にもうれしい効果が。

「お米を使ったご飯食のほうが、パン食よりも血糖値が上がりにくいといわれています。パンは付け合わせのジャムなどで糖分を余計に摂取しやすくなってしまうからです。またパンは、油分や塩分を含んでいるものが多いですが、ご飯は炊いたままの状態であれば、塩分も油分もゼロです」

1日3食のなかで米食を増やすことは“家計”にも“健康”にもいいことばかり。

「お米で代用」節約レシピを参考に、値上げの波においしく楽しく立ち向かっていこう!

【PROFILE】 今井真理子 栄養士。元・大手料理教室講師。現在は「おうちごはんと手ごねパンのお教室MARIKO’sキッチン」を主宰している