めかぶ納豆で睡眠不足解消! マグネシウム×カルシウムの安眠レシピ
「寝ている間に起きてしまう、眠りが浅く熟睡感がない……など、中高年の女性には何かしら睡眠に問題がある人が多いです」
そう指摘するのは、睡眠障害の治療にもあたる銀座予防医療クリニックの青木竜弥院長だ。
「質のよい睡眠をとるためには、メラトニンというホルモンが重要です。睡眠ホルモンとも呼ばれ、脳の松果体から分泌されて体内時計を調整します。日中の明るいうちは生成が少なく、日暮れから脳内で合成がはじまり、分泌量が増えて夜に眠くなるのです。眠っている間に、日中の10倍の分泌量に増えて深い眠りに導きます」
そのメラトニンの分泌量が減ることが、睡眠障害の一因だ。
「加齢に伴うメラトニンの分泌量低下が、中途・早朝覚醒や入眠障害の原因と考えられます」
青木先生は、栄養療法として、メラトニンをつくる食事と栄養素について指導しているという。
「メラトニンの生成には、マグネシウムと鉄が必須です。ところが日本人はマグネシウム不足の人が多く、睡眠時間の短さに影響していると考えられます」
女性のマグネシウム推奨量は、30歳以上で1日290ミリグラム(厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020年版」)。一方、女性の実際の摂取量は205ミリグラム(同省「国民健康・栄養調査(令和元年)」)と、マグネシウムの不足が一目瞭然だ。
■火を使わない!
簡単レシピでぐっすり
また、ほかにも重要な栄養素が。
「マグネシウムと一緒にカルシウムもとりましょう」
そう教えてくれたのは、栄養士の今井真理子さん。
「マグネシウムの代謝には、カルシウムが深く関わっています。マグネシウムは60%が骨や歯にあり、マグネシウムが不足すると、体内のカルシウムも排出されてしまいます。メラトニンの生成には、バランスよくカルシウムもとることが大切なのです」
マグネシウムを含む食材は、アオサや、ワカメなどの海藻類、豆腐などの大豆製品、ごまやそば、しらすやサクラエビ、イワシ、煮干しなどの魚介、バナナやアボカドなどがある。
カルシウムを含む食材は、エビやイワシ、ヒジキなど魚介や海藻類、牛乳やチーズなどの乳製品、大豆製品などだ。
「野菜では、しそ、オクラ、小松菜など。大根を干した切干し大根は普通の大根の20倍のカルシウム量になります」
今回、今井さんが「マグネシウム+カルシウム」豊富な「安眠レシピ4」を提案してくれた。どれも、火も使わない簡単レシピだ。
■しらす+めかぶ+納豆の酢醤油あえ
【材料】1人分 めかぶ…1パック 納豆…1パック しらす…ひとつまみ 酢…小さじ1/2 醤油…小さじ1/2
【作り方】 〈1〉めかぶと納豆を先に混ぜ合わせ、酢と醤油を加える。 〈2〉中央にしらすをのせる。
【100グラム中の栄養素】 しらす(カルシウム520ミリグラム、マグネシウム130ミリグラム) めかぶ(カルシウム77ミリグラム、マグネシウム100ミリグラム) 納豆(カルシウム90ミリグラム、マグネシウム100ミリグラム)
「しらす+めかぶ+納豆に、お酢を加えることでカルシウムの吸収力がアップします」(今井さん・以下同)
■ヨーグルト+きなこ
【材料】1人分 プレーンヨーグルト…100グラム きなこ…大さじ1 お好みでシュガーやはちみつをかけて
【作り方】 〈1〉プレーンヨーグルトを器に入れ、きなこをかける。
【100グラム中の栄養素】 ヨーグルト(カルシウム120ミリグラム、マグネシウム12ミリグラム) きなこ(カルシウム250ミリグラム、マグネシウム240ミリグラム)
「ヨーグルト+きなこにアレンジでバナナを加えると、幸せホルモンをつくるトリプトファンもとれます」
■豆腐+豆乳+オクラの冷製スープ
【材料】1人分 オクラ…2本 豆腐…100グラム 無調整豆乳…冷やしたものを100ミリリットル 白だし(2倍濃縮)…大さじ1 ごま油…適量
【作り方】 〈1〉オクラは産毛の処理をしてから輪切りにする。 〈2〉豆乳と白だしを合わせる。 〈3〉器に豆腐をスプーンですくって入れたら、豆乳スープとオクラを盛り付けて、仕上げにごま油をかける。
【100グラム中の栄養素】 豆乳(カルシウム43ミリグラム、マグネシウム44ミリグラム) 豆乳(カルシウム15ミリグラム、マグネシウム25ミリグラム) オクラ(カルシウム92ミリグラム、マグネシウム51ミリグラム)
「旬のオクラの水溶性のビタミンやミネラルは水に溶けやすいので生食かレンチン、またはスープがいい。ここに発酵食品のキムチを足すと、便通改善にも役立ちます」
■イワシ+切り干し大根+すりごまの味噌煮あえ
【材料】2〜3人分 切り干し大根…20グラム(乾燥) イワシの味噌煮缶…1缶110グラムのものを使用 すりごま…小さじ2
【作り方】 〈1〉切り干し大根を水で戻し、水気をしっかり絞る。 〈2〉イワシの味噌煮と切り干し大根を合わせて、味をなじませる。 〈3〉すりごまを加える。
【100グラム中の栄養素】 イワシ(カルシウム74ミリグラム、マグネシウム30ミリグラム) 切り干し大根(カルシウム540ミリグラム、マグネシウム170ミリグラム) すりごま(カルシウム1200ミリグラム、マグネシウム360ミリグラム)
「イワシと切干し大根は強力コンビ。味噌煮缶の味噌は発酵食品なので、腸内環境を整えてメラトニンの生成を活発にして、質のよい眠りに役立ちます」
安眠レシピで、今夜はぐっすり眠れそう!