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(写真:2016年「長岡まつり大花火大会」より)

「いつも同じように見える花火ですが、じつは年々進化しています。とくに今年は、職人の技と最新テクノロジーが融合した花火が、真夏の夜空を彩るでしょう」

そう語るのは、『花火の事典』(東京堂出版)の著書がある東京大学の新井充教授。ドーン、パラパラパラと夜空に響く音を聞いただけで、胸が高鳴ってしまうのは、いくつになっても変わらない。そんな毎年、風物詩と親しんできた花火大会の、今年ならではの“新しい楽しみ”があるという。

「“真円に開くか”“色がキレイか”だけでなく“一斉に光が消えるか”にまでこだわる日本人。それに合わせて花火師の技術は磨かれてきました。そこにコンピュータなどの先端技術、音楽とコラボしたショー的な要素が加わり、花火は進化を遂げています。また、いまの花火師たちの脅威になっているのがプロジェクションマッピング。花火が取って代わられないように、より研鑽をつんでいるのです。さらに3年後の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、花火の技術は飛躍的に加速しています」

そんな'17年の花火の最新トピックスを、新井先生に加え、ハナビストで花火写真家の冴木一馬さんが教えてくれた。

■常識を打ち破った“時差式花火”が全国の夜を彩る

中心から放射状に丸く光る花火と違い、帯状に右から左や、上から下と光って丸くなるのが“時差式花火”。

「最初に開発したのは秋田県の小松煙火工業ですが、その後、全国の業者でも打ち上げるようになり、今年はブロックごとに光ったり、ネオンサインのように高速に変化するなど、多彩に進化しています」(新井先生)

元祖である小松煙火工業の花火が見られるのは「第15回みなとまつり能代の花火」(7月22日秋田県能代市)など。

■ドローンが可能にした最新花火鑑賞法

「至高の花火鑑賞といえば上空からヘリコプターで見るというもの。人混みを気にせず、ど迫力の花火が楽しめますが、チャーター代は、20万円以上と高額です……」(冴木さん)

それでも花火を上空から見てみたいという人は、「熱海海上花火大会」での新たな試みに注目。8月24日の花火大会では3台のドローンが打ち上げられた花火に接近。ど迫力の映像を翌日以降にYouTubeにて配信する予定。未体験の花火鑑賞が家にいながらできる。

■音楽との融合で花火大会が大きく変わる

「音楽と融合した花火ショーが日本で始まったのは’90年代のこと。かつては花火音と音楽にズレがありましたが、最先端のコンピュータを使った音響技術により、花火と音楽が一体に。感動もひとしおです」(新井先生)

アーティストとのコラボが注目の「神宮外苑花火大会」(8月20日東京都新宿)では大黒摩季、miwaなどの歌声が、花火に華を添える。「ふくろい遠州の花火」(8月11日静岡県袋井市)のミュージック花火も、年々完成度が上がっている。