一向に収まらないコロナ禍。相次ぐ雇い止めや失業のニュースを耳にして「次は私かも……」と不安を抱えていませんか? 誰でも使える無期転換制度なら、雇い止めを防ぐことができるんです!

「ずっと働いてきたパート先ですが、コロナ禍で売り上げが減っているみたい。次の更新で契約を打ち切られるのではと不安です」(43歳主婦)

パートやアルバイト、派遣社員の労働契約のほとんどは、1年や3年など、働く期間が定められた有期契約。その契約が更新されないのが“雇い止め”だ。厚生労働省は、コロナ禍による解雇や雇い止めが4月9日時点で見込み含め10万947人に上ると発表。

「コロナの影響を顕著に受けているパートや派遣などの非正規雇用で働く女性に、ぜひ知っておいてほしいのが“無期転換ルール”。成立したのは’13年ですが、まだまだ認知度が低いのが現状です」

そう指摘するのは、弁護士で『5年たったら正社員!? 無期転換のためのワークルール』(旬報社)の著者の嶋崎量先生だ。

「有期契約社員が、同じ会社で5年を超えて、契約を更新しながら働いている場合に適用されるのが無期転換ルール。本人の意思があれば、期間の定めのない『無期労働契約』に転換することができます。ただし、5年を超えて働いていれば自動で無期契約になるというわけではなく、労働者からの申し出が必要です」

無期契約になることで、半年や1年ごとなどの契約期間終了によって、辞めさせられる不安から解放されるという。

「さらに、『次の契約を更新しない』と言われる怖さから、ハラスメントを受けても何も言えない、無理なシフトでも受け入れなければいけない、という有期労働者は多くいます。契約打ち切りの不安がなくなることで、当たり前の権利の主張もしやすくなるのです」

また、会社によっては無期転換をきっかけに、労働条件の見直しが行われる場合があるという。働く主婦の声を多く聞いてきたワークスタイル研究家の川上敬太郎さんはこう語る。

「無期転換をしたことで『正社員と同じ福利厚生を受けられるようになった』という人もいます」

たとえば大同生命保険株式会社では、無期転換後は、再雇用制度、賞与の増額などが適用される。株式会社高島屋では、無期転換した社員を対象に、傷病休職制度や再雇用制度などを導入し、労働環境の向上を図っている。

「一方、勤務条件が変わったことで、仕事量が増えてしまった等の声があるのも事実。無期転換後の労働条件が変わる場合、事前に職場から説明がなされますから、その内容はしっかりと確認を」

とはいえ、無期転換をしたからといって、給与や労働時間、勤務地などの条件が必ず変わるわけではないと嶋崎先生。

「無期転換は、契約期間が無期になるだけの制度。雇用契約の内容の見直しがなければ待遇は変わりません。誤解されやすいのですが、正社員になれる、という制度でもないですし、『辞められなくなる』なんてこともないです」

無期転換ルールを使って、コロナ禍を乗り切ろう!

「女性自身」2021年5月4日号 掲載