11月10日、東京工業大学(以下、東工大)は、’24年春入学者向けの入試から「女子枠」を導入することを明らかにした。現在の東工大の女子学生比率は約13%。今回の入試改革は、低迷する女子学生比率を20%以上に高めることが目的だという。しかし、“女性活躍のため”と銘打ったこの制度の内容が波紋を呼んでいる。

これまでの東工大の入試選抜方法は、学力検査中心の選抜である“一般選抜”と、学力検査に加えて面接などを行う“総合型・学校推薦型選抜”の2種。新設する女子枠は、後者の“総合型・学校推薦型選抜”の枠を拡大する形で導入される。

女子枠の対象となるのは、募集人員1028人の約14%に相当する143名。募集人員の総数は変わらないため、女子枠の導入で学力検査中心の“一般選抜”の定員は現在の930名から801名へと100名以上減少する。

女子枠の試験内容は、各学部によって異なるが、情報理工学院の場合は面接のみ。工学院や物質理工学院は面接と大学入学共通テストの成績を半々で評価。理学院の場合は、数学の筆記試験と物理・科学の共通テストの結果、そして面接をもとに学力試験中心に選考を行うという。どの学部も受験者が一定数を超えた場合は、共通テストの得点で選抜を行ったうえでこれらの試験を実施することになる。

理工系での女性活躍を狙って導入された今回の制度に対し、SNS上では《理系に女性が少ない問題を本気で克服しようとしてる》と肯定的な意見も。その一方、学力試験で入学する定員が減り、学力以外の観点から選抜される女性の数が大幅に増えるという選考の方法について、疑問を唱える声が相次いでいる。

《これは逆差別。公平にやってください。》 《東工大何やってんの、、これは女性優遇と思われても仕方ない。》 《女性差別は反対だけど、大学受験において女子だから試験免除ってのは違くない?》 《東工大の女性枠、女性が理系分野に進出するための一つの策ではあるけど、その分他の枠が減って、本来入学できる学力を持つ生徒が入れなくなるのは問題。》 《積極的是正措置と言われるんだろうが 男性差別と何が違うのか? 受験生の方がかわいそうに思ってしまう。 医学部の女性差別と同じと評価されても仕方ない》

大手大学受験予備校・四谷学院のWEBサイトによると、東工大は東大・京大・一橋大と並ぶ国立大学の難関校で、出題される問題も難問が多いという。学力試験では数学の能力が重視されており、総合点750点のうち4割の300点が数学に配点されている。しかし現状、女子枠で数学の筆記試験があるのは理学院(15名)のみ。筆記試験無しで入学する人の割合が多い「女子枠」入学者と一般選抜入学者との学力差を懸念する声も。

《枠を作って女性の入学者を増やしたとしても数の帳尻を合わせだけ 特別扱いで入学できても一般入試で入学した他学生に置いて行かれるのではないでしょうか》 《東工大は数学がとんでもなく難しい上に共テの割合が低いので有名なので、共通テストではかった学力だと正規合格者とは全く違う能力な気もしますよね》 《東工大の女子入学優先枠、個人的には悪くないと思うんだけど、留年率1割の大学に試験をしないで入れちゃっていいの?》

また、女性にとっても悪影響があるのではないかとの指摘も相次いだ。

《これ、実力でも合格出来る女子が「東工大か…女子には有利だもんね(笑)」と言われそう。》 《これ怒ってるの男だけじゃないです…女も所詮枠を用意してもらわないと合格できないって思われるって怒ってます》

大学が公開する資料には「これを起点に波紋が広がり、本学だけでなく社会全体に、真に多様性を受容する環境が育つことを期待します」と記載されていた。確かに波紋は広がったようだ。