日本医療政策機構と感染症関連学会、医薬品・医療機器関連企業などで構成する「AMRアライアンス・ジャパン」は7月11日、政府が薬剤耐性(AMR)対策で取るべき政策に関する提言を公表した。政府が掲げる抗菌薬適正使用の数値目標について、過剰な使用抑制につながる恐れがあるとして、医療現場の現状を踏まえた新たな目標を検討すべきとしている。

 政府が2016年に閣議決定した「AMR対策アクションプラン」では、20年までに人口1000人当たりの1日抗菌薬使用量を13年比で33%削減するとの目標が盛り込まれた。国立国際医療研究センター病院のAMR臨床リファレンスセンターの動向調査によると、18年の抗菌薬使用量(販売量ベース)は13年比で約11%減少している。

 提言では、抗菌薬の「不適正使用を抑制する」政策は重要としつつ、アクションプランの数値目標が過剰な使用抑制を招く可能性があると指摘。抗菌薬の適正な使用を適切に評価できる目標への見直しを求めた。厚生労働省の「抗微生物薬適正使用の手引き 第一版」についても、基礎疾患のある患者の治療に活用できる内容に発展させ、抗菌薬の選択肢を病態ごとに記載するなど、感染症専門医以外の医師にとっての使い勝手を向上させるよう改訂を提案している。

 セファゾリンの供給不足が長引く中、抗菌薬の安定供給確保の問題も提起。危機管理の視点も踏まえた資金投入などにより、必要時に企業が供給増にすぐに対応できる体制の整備を支援すべきとした。