日本専門医機構の寺本民生理事長は4月22日の会見で、2020年度の専攻医募集より「将来の必要医師数」を根拠として都道府県別診療科ごとにシーリング(上限)をかけることを明らかにした。

 これは、3月に開かれた医道審議会「医師分科会医師専門研修部会」で厚生労働省が示した案を受けたもの。現行の募集では、東京、神奈川、愛知、大阪、福岡の5都府県に専攻医が集中しないよう、医師数が減少している外科、産婦人科、病理、臨床検査以外の14基本領域について、専攻医の総数が過去5年の採用実績の平均値を超えないようにシーリングをかけている。これに対し、厚労省は東京都への集中や診療科偏在の是正に有効な仕組みとなっていなかったとして問題視。DPCデータなどを基に算出した「現状の医師数」が「将来の必要医師数」と同数あるいは上回る診療科をシーリングの対象にすることを提案した。 

 寺本氏は会見で、各基本領域の学会と議論した結果、方向性について概ね了承したことを報告。しかし、措置入院に要する精神科医数などが推計に含まれていない可能性があるとの懸念から、一部の数値については改めて検討する必要性を指摘した。

 寺本氏は、5月中にも開かれる同部会で具体的なシーリング数を決定し、9月中の専攻医募集開始を目指すとしている。 

■19年度専攻医採用数は8615人

 寺本氏は同日の会見で、19年度の専攻医採用数について、8615人だったことを発表。「昨年設定したシーリングは完全に守られた」と評価した。一方で、「総合診療科は残念ながら179人。前年は184人で、増えていない状況だ」と述べ、その理由について「キャリアパスが見えないというのが一番大きい」との認識を示した。