診療報酬調査専門組織・入院医療等の調査・評価分科会は10月16日、一般病棟や集中治療室などにおける入院患者の評価指標について意見交換した。特定集中治療室用の「重症度、医療・看護必要度(以下、看護必要度)」についてはこれまでの審議過程で、患者の状態を測定する評価指標としては不十分との声が上がっていたが、この日の議論では委員から、補完的指標として生理学的スコア(SOFAスコア)の活用を提案する意見があった。

 SOFAスコアは呼吸機能、肝機能、循環機能などの6項目を0〜4点の5段階で採点し、全身の臓器障害の程度を判定する指標。「特定集中治療室管理料1、2」には、2018年度改定で、入退室時のSOFAスコアの測定と報告が義務づけられた。

 16日の分科会で山本修一委員(国立大学法人千葉大学医学部附属病院長)は、「看護必要度だけでなく、SOFAスコアなどの他の指標も掛け合わせて考えていく必要があるのではないか」と提案した。18年度改定の効果検証調査の結果が公表された際には、ICU入室時のSOFAスコアが0点の患者が一定数存在することが問題視されたが、牧野憲一委員(旭川赤十字病院院長)は、術後の経過観察もICUの役割であり、その場合は入室時スコアが0点であっても不思議ではないと指摘。「ICUにはサージカルICUと重症患者の治療の2つの目的があり、どちらがいい、悪いではない。SOFAスコアを使って、ある一定割合は重症患者を入れる基準があってもいいのではないか」と、山本委員の意見に同調した。

■SOFAスコア報告義務化の対象拡大の提案も

 また、神野正博委員(社会医療法人財団董仙会理事長)は、入退室時のSOFAスコアの報告義務化対象の「特定集中治療室管理料3、4」への拡大を提案。複数の委員が賛成し、「救命救急入院料」や「ハイケアユニット入院医療管理料」への拡大を求める意見も出たが、その一方で拡大に伴う現場の負担を懸念する声もあった。

 一般病棟用の看護必要度では、▽外来での使用や実施が多い薬剤(A項目)や手術(C項目)の除外、▽入院での実施率が高い生検検査などの処置のC項目への追加―などの可能性を検討した。厚生労働省が議論の素材として提出したデータによると、A項目対象薬剤のうち、内服の抗悪性腫瘍剤と免疫抑制剤は外来での使用率が高いことが判明。C項目に関する分析では、対象手術の9割は入院で実施されており、対象外手術も入院での実施が9割以上の手術が大部分を占めることがわかった。

 さらに対象外手術について、入院実施率が100%、かつ年間件数や点数が一定以上の手術を絞り込むと、年間1000件以上は33手術、5万点以上は30手術が該当。生検検査の入院実施率は、「経皮的針生検法」(96.0%)と「EUS-FNA」(95.6%)で9割を超えていた。

■一般病棟用看護必要度、C項目への生検検査追加などで賛否

 議論で牧野委員は、「9割以上が入院のものは点数、件数にかかわらず広く評価していいと思う」とA、C項目の対象追加に前向きな見解を表明。池田俊也委員(国際医療福祉大学医学部公衆衛生学教授)は、C項目は元々侵襲性の高さに着目した評価だとし、入院実施率100%かつ5万点以上の手術のC項目への追加には理解を示したが、検査への拡大には、「針生検を開頭手術などと同様に並べていいのか」と異議を唱えた。