感染症を専門とする慶大医学部客員教授の菅谷憲夫氏(WHO重症インフルエンザガイドライン委員)が5月20日、日本医事新報に緊急寄稿、新型コロナウイルスによる死亡者数を人口10万人当たりで換算すると「日本の死亡者数はアジアでワースト2」とし、欧米に比べて死亡者数が少ないから日本の新型コロナウイルス対策は優れているといった論調に警鐘を鳴らした。

 菅谷氏は、5月16日時点の米ジョンズ・ホプキンス大システム科学工学センター(CSSE)のデータを示しながら、人口10万人当たり死亡者数で比較すると、アジア諸国の中で日本(0.56人)はフィリピン(0.77人)に次いで2番目に多く、「日本の対策が優れていたとは言い難い」と強調。

 「注目されるのは、医療崩壊した武漢など、SARS-CoV-2(=新型コロナウイルス)の発生源とされた中国(0.32人)を上回っている点」だとし、日本は「対策によっては、まだまだ多くの命を救えた可能性がある」としている。

■「第2波は激甚な流行となる危険性も」

 菅谷氏は、世界のトピックとなっている「第2波」の問題にも触れ、「日本を含めたアジア諸国では、第2波は激甚な流行となる危険性もある」と指摘。「日本の第2波対策は、欧米の被害状況を詳しく分析して、慎重に立案、準備する必要がある」と訴えている。