富士フイルム富山化学は10月16日、抗インフルエンザウイルス薬「アビガン錠」(一般名:ファビピラビル)への新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の効能・効果追加について同日付で承認申請を行ったと発表した。

 アビガンは、新型・再興型インフルエンザ発生時に国の判断で使用できる医薬品として2014年3月に承認。ウイルスのRNAポリメラーゼを選択的に阻害しウイルスの増殖を防ぐメカニズムを持つことから、インフルエンザウイルスと同種のRNAウイルスである新型コロナウイルスへの効果が期待され、国内でCOVID-19が拡がり始めた頃から有力な治療薬候補として注目されていた。

 承認申請のための国内の治験(国内臨床第Ⅲ相試験)は「非重篤な肺炎を有するCOVID-19患者」を対象に今年3月スタート。

 当初6月中の終了を目指していた治験は、国内の感染者数・患者数減少の影響もあり予定より長引き、富士フイルム富山化学は9月23日、治験において「症状(体温、酸素飽和度、胸部画像)の軽快かつウイルスの陰性化までの時間」の主要評価項目を達成(プラセボ投与群14.7日に対しアビガン投与群11.9日)したと発表。

 アビガン投与で症状の改善を早めることが確認され、安全性上の新たな懸念も認められなかったとして、10月中にも承認申請を行う方針を示した。

■田村厚労相「なるべく早くとは認識している」

 田村憲久厚労相は16日の閣議後会見で、「こういう緊急事態だから、なるべく早くという話は認識している」と承認を急ぐ姿勢を示しながら、「安全性・有効性をしっかり精査した上で、最終的に承認するかどうか判断する」と述べた。

 承認されれば、アビガンは日本で開発された医薬品として初めてのCOVID-19治療薬となる。