新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬の有力候補として注目され、国内治験もスタートした「アビガン」(一般名:ファビピラビル)について、開発に携わった白木公康富山大医学部名誉教授(千里金蘭大学副学長)が日本医事新報4月4日号に寄稿(4月1日よりWeb医事新報で先行公開)。COVID-19に対して期待されるアビガンの効果や副作用について解説し、「現時点で、アビガンより有効な抗ウイルス薬は幻想でないか」との見方を示した。

■アビガンは耐性ウイルスができない

 COVID-19パンデミックを受け、白木氏は日本医事新報3月21日号、3月28日号、4月4日号に3週連続で緊急寄稿。

 3回目となる今回の寄稿では、耐性ウイルスが生じないアビガンのメカニズムについて詳しく解説し、他の抗ウイルス薬と比較した場合のアビガンの特性は「致死性重症感染症に対する優れた効果だけでなく、耐性ウイルスができない点にもある」と強調。

■「有効性と副作用のバランスを考慮し投与を」

 中国の2つの臨床試験(武漢・深圳)の結果を踏まえ、あらためて、COVID-19肺炎が起きた段階で早期にアビガン治療を開始すべきとの考えを示す一方で、アビガンの副作用にも触れ、「動物実験では妊孕性に問題があるので、妊婦は禁忌」と注意喚起。「有効性と副作用のバランスを考慮してアビガンの投与を検討していただきたい」と呼びかけている。

 白木氏は最後に、「中国では、COVID-19肺炎に対するアビガン投与が診療ガイドラインに組み込まれる予定だ。中国の臨床試験の結果から、現時点で、アビガンより有効な抗ウイルス薬は幻想でないか」と断じ、COVID-19肺炎に対し現状でアビガン以上に有効な抗ウイルス薬はないとの見方を示している。