『タイガーマスク』や『ゲッターロボ』をはじめ、数多くのアニメ主題歌やテーマソングなどを生み出し続けたアニメ音楽の巨匠、作曲家・菊池俊輔さんが、2021年4月、誤嚥性肺炎により89歳で死去した。

 アニソン・特撮ソングのリクエスト番組『青春ラジメニア』(ラジオ関西)が、6月の1か月間にわたって、菊池さんの追悼特集を行っている。その冒頭を飾る第1週の4日には、作曲家の田中公平さんが登場。『サクラ大戦』『ONE PIECE』など代表作を数多生み出し、今年4月に「40+1周年記念コンサート」も行われたアニソン界の重鎮が、先輩・菊池さんとの思い出などを語った。

『青春ラジメニア』に出演した作曲家・田中公平さん(中央)と、番組パーソナリティーの岩崎和夫(左)と南かおり(右)。

◆菊池俊輔さんとの出会い

「(菊池さんと)初めて会ったのは、僕のアニメ音楽デビューである『星の涙』(『わが青春のアルカディア 無限軌道SSX』)制作の時」だと振り返る田中さん。「菊池俊輔 作曲・田中公平 編曲」の組み合わせは、この1曲だけだという。

 同曲制作の際、菊池さんから「すごく良い曲だけど、このままだと特徴がなく普通な人になってしまうから気を付けて」とアドバイスを受けた田中さんは、その後も交流を深めていく。「(菊池さんは)おしゃべりが上手で人なつっこい、誰にでも優しい、良い先生だった」。

◆田中公平さんから見た「作曲家・菊池俊輔」とは

 菊池さんといえば、「パキッと際立った、覚えやすく太いメロディが特徴。そんな自身の持ち味を活かしつつ、常に研究を重ねていた姿が印象的だった」と語る、田中さん。「同じ作曲家として(菊池さんの)音楽を聴けば、先生が今、何にハマっているのか分かったし、作風が変わったと気付けたのが面白かった」。特に『ゲッターロボ』『暴れん坊将軍』『タイガーマスク』などは、「マカロニウエスタン(イタリア製西部劇)の、明快で勇ましい曲調を反映させていた」と解き明かす。

◆菊池俊輔さんとの、印象的なエピソード

「作曲家として活動しはじめた頃、ゴルフ場で菊池先生と偶然会ったんですが、僕が挨拶すると、先生は振り返って『田中くんか……君には随分取られたよ、仕事』って言ったんです」

 当時の田中さんは『エスパー魔美』『21エモン』『チンプイ』などを手掛けていたが、それらは本来なら菊池さんが担当するはずだったという。「それを後輩に直接言えるのが菊池先生の良いところだと思う。今では僕も、後輩に同じようなことを言っているので(笑)」と笑みを浮かべつつ、偉大な作曲家との思い出をなつかしんだ。

番組主題歌「青春ラジメニアの歌」(歌:子門真人)も手掛けた菊池氏。番組30周年記念アニバーサリーブックにもお祝いの直筆コメントが届けられた