俳優の林遣都・中川大志らが出演、獣医学部に実在したサークル「犬部」を元に描いた、青春“犬ラブ”ムービー、『犬部』が7月22日より全国公開されています。今作の魅力を、映画をこよなく愛するラジオパーソナリティー・増井孝子さんが解説します。

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 片野ゆかのノンフィクション作品で、その後、2冊のコミック本にもなったという「北里大学獣医学部 犬部!」(2010年)を実写化した映画。

 解剖の授業に実際の犬を使い、結果、その犬の命を奪ってしまうということに納得がいかないほど犬思いの心優しい学生、花井颯太(林遣都)。授業をボイコットし、代わりに町の動物病院での手術に立ち会い、詳細なレポートを書くことで、なんとか単位を与えてもらっていた。

 獣医大生の彼のアパートには、保護した犬や猫がいっぱい。ある日、近所の野原で哀しい目をした一匹の犬と出会い、部屋に連れて帰ってくる。人に慣れず、傷だらけのその犬を、同級生の柴崎涼介(中川大志)や、後輩で猫好きの佐備川よしみ(大原櫻子)たちと保護したのだが、その犬は大学の実験に使われる予定で、世話していた学生・秋田智彦(浅香航大)が不注意で逃がしてしまい、必死に探していることが判明する。

 教授(岩松了)と秋田がその犬を連れ戻しに来たとき、颯太は泣く泣く犬を手渡すが、再び逃げ出した。アパートのドアの前に座っている犬を見た颯太は「もう2度と手放さない」と心に誓い、教授に直談判して譲り受けることに成功した。「絶対にどの子も見捨てない、幸せにする!」という強い信念で行動する彼は、その思いに賛同して集まって来た有志と“犬部”というボランティアサークルを立ち上げる。

©2021『犬部!』製作委員会

 そして、保護した動物をケアし、去勢やしつけをして里親を探すなど、「殺処分ゼロ」を目指して頑張る彼らの活動は、受け継がれていく。

 16年後、颯太は都内で小さな動物病院を開いていて、相変わらず寝る間も惜しんで動物愛護の活動を続けている。

 そんなある日、颯太が警察に逮捕されたというニュースがテレビで流れる。

 心配して駆けつけてくるかつての“犬部”のメンバー達。今は、ウイルスの研究者としての道を歩んでいるよしみ。

 父親の大きな動物病院で働いている秋田。けれどそこに柴崎の姿はなかった。

 行政の側から殺処分を止めたいと、動物愛護センターに勤めた柴崎は、実は今は行方知れずになっていたのだ。

 一体、颯太の身に、柴崎の身に、何が起こったのか……?

 コロナ禍で、おうち時間が増えたからか、ペットの需要が急上昇。価格も高騰し、先日のぞいたショッピングセンターのペットコーナーで、トイプードルの仔犬に68万円の値がついていたのにはびっくりしたが、ティーカップ(プードル)ならもっと高いと聞いて、もう口があんぐり。どの犬種も以前の2倍3倍は当たり前らしい。

 ところが、家族として迎え入れたものの、どうにも世話しきれず、飼育放棄する飼い主も多いと聞く……。

 命あるものとの触れ合いは、本当に素晴らしい経験を与えてくれる。愛するペットを亡くし、ペットロスでしばらくは立ち直れないぐらいの喪失感を感じる人もいれば、簡単に手放す人もいる。

 この映画でも取り上げられている譲渡会、今は保護犬や保護猫を引き取るのがちょっとしたブームだ。

 災害救助犬のゆめのすけ君や、この映画で颯太の愛犬・花子役を演じているちえちゃんも保護犬出身と聞くと、ますます興味津々だが、里親になるには条件があって、「60歳以下であること」など、かなり厳しい。

 んー?! 私、いきなりアウト! しょうがない、68万円めざして貯金はじめるか???(増井孝子)

※ラジオ関西『ばんばひろふみ!ラジオDEしょー!』、「おたかのシネマdeトーク」より