ド迫力のアクションが魅力のメガヒットシリーズ、「ワイルド・スピード」の最新作、映画『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』が8月6日より全国公開されています。今作の魅力を、映画をこよなく愛するラジオパーソナリティー・増井孝子さんが解説します。

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“ワイスピ”の愛称で親しまれているワイルド・スピードのシリーズ。2001年から始まり、この「ジェットブレイク」が9作目。

 シリーズ8作までで、全世界興行収入50億ドル(約5500億円)を記録し、今作の予告編映像は、なんと解禁後7日間のうちに全世界で4億8080万回以上視聴され、映画の予告編としては歴代最高の視聴回数を記録したという。

 何がそこまでファンの気持ちを引き付けるのか? その魅力の根源は何なのか?

 もともとは、違法なストリートレースからスタートしたこのシリーズ、いつしか国際的な犯罪組織と闘うことにスケールアップ! 卓越したドライビングテクニックで、すごい性能のスーパーカーを駆って、不可能なミッションに挑むチームの活躍を描く路線になっていった。

 ヴィン・ディーゼル扮する主人公ドミニクをはじめ、各分野のエキスパートたちが集結。

 ドミニクいわく「俺たちは仲間じゃない、ファミリーだ」。家族同様の絆で結ばれたチームの「あうんの呼吸」による最高のコラボが見もののシリーズなのだ。そして今回は、本物の家族、ドミニクの弟ジェイコブ(ジョン・シナ)が最強の敵として彼らの前に立ちはだかる。

 元は仲の良かった二人。父親がレースで事故死したことがきっかけで、それぞれの道を歩んでいった。

 米諜報組織トップのミスター・ノーバディ(カート・ラッセル)の輸送機が南米で墜落。その機には世界を手に入れられるほどの威力を持つデジタル装置“アリエス”が積まれていた。その回収に向かったドミニクたちが装置を見つけたところに軍が現れ、追われる中で別の武装集団からも襲撃を受け、そのリーダーが弟のジェイコブだったというわけ。

 まんまと“アリエス”を手に入れたジェイコブ。だけど、2つが対になっている“アリエス”は単体では作動せず害はない。

 そして“アリエス”のもう片方と、その起動に必要なアクティベーションキーをめぐって壮絶な奪い合いが始まるのだ。

(C) 2021 Universal Studios. All Rights Reserved.

 いつもの仲間たち、いや家族たち。公私にわたってのパートナーのレティ(ミッシェル・ロドリゲス)、ドミニクの妹・ミア(ジョーダナ・ブリュースター)、天才ハッカーのラムジー(ナタリー・エマニュエル)、コメディ・リリーフ的なポジションでもある凄腕ファイターのローマン(タイリース・ギブソン)、メカにやたら強く毎回難題を見事に切り抜けるテズ(クリス・“リュダクリス”・ブリッジス)、そしてアッと驚くメンバーのカムバックもあり、ファミリーはますます華々しい闘いへ一丸となって突き進む。

 前作で激しいバトルを繰り広げた、狡猾で手強いあの優れた策士・サイファー(シャーリーズ・セロン)が、ドレッドヘアーからショートヘアーにイメチェンして登場するし、ヘレン・ミレンが演じるクィニーも健在。

 チラっとしか映らない車でも、マニア垂涎の名車ぞろい。ドミニクやメンバーたちの乗る車は、それぞれのキャラクターを表すような車種だし、強力な磁石を装備した車、アルマジロのような装甲車といったお楽しみも。

 前作の潜水艦とのチェイスでも度肝を抜かれたが、今回は宇宙にまで守備範囲を広げるハチャメチャぶり。

 それでも、なぜ、ファミリーがドミニクにとって大事なものなのかが明かされる過去の出来事、父や兄弟といった家族の過去と向き合うドラマが描かれることにより、アクションだけではない“ワイスピ”の魅力がさらにスケールアップしている。

 シリーズの黄金期の4作を撮ったジャスティン・リンが今回監督に返り咲いた。今後、予定されている最終章の前後編2作も彼がメガホンを取り、シリーズの幕を下ろすらしい。エンドロールにジェイソン・ステイサムが顔を出していることからも、期待がふくらむ。

 そして、ラストシーン、青いGTRで、ブライアンがやってくる……。

 現実では亡くなってしまったポール・ウォーカーが、物語の中ではブライアンとして生き続けることができる、サイコーの映画マジックに、泣けた……。(増井孝子)

※ラジオ関西『ばんばひろふみ!ラジオDEしょー!』、「おたかのシネマdeトーク」より