8月31日(火)、なかのZERO小ホール(東京都中野区)で『国民的大学生芸人グランプリ〜大学芸会〜』(以下、『大学芸会』)決勝が開催された。『大学芸会』は漫才・コント・ピン芸人が入り混じる大会で、学生芸人対象のイベントでは最も規模が大きいもの。例年、夏季に開催されており、この大会を目指し奮闘する学生芸人も多い。しかし、2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止を余儀なくされた。そのため、今回は2019年以来、2年ぶり開催となる。

『大学芸会』の運営は、全工程を大学生が担う。何度もオンラインで会議を重ね、感染対策をした上で大会の開催を決心。マスク、消毒、換気といった最低限の対策をするのはもちろん、予選期間中は出番が終わったらすぐに会場を出るよう出場者へ徹底したという。また例年、予選の結果発表は会場で行っていたが、今年はTwitter上での発表に切り替えた。参加する学生全員が協力して、ついに決勝本番を迎えた。

決勝パンフレット。大会キャッチコピーは「取り戻す、この一撃で。」

『大学芸会2021』にエントリーした学生芸人は336組。激戦の予選を勝ち抜いた18組が、この日集結した。決勝は「1st stage」「Final stage」の2部制で行われ、審査員・観客の投票で結果が決まる。

 決勝のMCは、学生芸人出身の「さすらいラビー」(太田プロ)。また、審査員には構成作家・飯塚大悟、児島気奈(K-PRO代表)、POISON GIRL BAND・吉田大吾(吉本興業)を迎えた。

「1st stage」18組のネタが終わると、MCの中田(さすらいラビー)は「過去最高(の大会)かも」とコメント。審査員の飯塚は「自分のことを分かって」ネタを作っていると出場者たちを称賛した。

 高レベルの戦いを勝ち抜き、「Final stage」に進出したのは「好奇心」(創価大学落語研究会所属)、「海老車」(慶應義塾大学お笑い道場O-keis・法政大学お笑いサークルHOS所属)、「リバイアサン」(法政大学お笑いサークルHOS 所属)の3組。

好奇心(創価大学落語研究会所属)
海老車(慶應義塾大学お笑い道場O-keis・法政大学お笑いサークルHOS所属メンバーによるサークルを超えたトリオ)
リバイアサン(法政大学お笑いサークルHOS 所属)

 336組のトップを決める「Final stage」では、それぞれが渾身のネタを披露し、爆笑を起こした。2位に差をつけ圧倒的な強さで優勝を決めたのは「リバイアサン」。審査員から賞状とトロフィーが贈られ、「ここで優勝することをずっと目標にしてきた」と喜びを爆発させた。

 お笑いライブの制作を行う「K-PRO」代表の児島は、「(出場者の)この大会にかける熱を感じ、審査する方としてもすごく真剣に審査させていただきました」とコメント。リズムネタを披露した「リバイアサン」に対し、「この会場にいる全員が一生忘れられない漫才をしたんじゃないか」と称賛した。

 また自身もお笑いサークル出身の構成作家・飯塚は、「(学生芸人の経験は)別のジャンルに行っても絶対に活かせると思います。この経験をずっと大切にしてほしい」とメッセージを贈った。

優勝した「リバイアサン」(左:佐伯瞭、右:久保寺竜誠)

 終了後「リバイアサン」に話を聞くと、「4年間コツコツ頑張って来たので、最後に結果が出たのが本当にうれしい」と笑みも。残り少ない学生芸人期間の目標を問うと、佐伯は「二人で三冠達成」したいと野望を明らかにする。佐伯は2019年の『学生R-1』で優勝経験があり、さらに久保寺も今年の『学生R-1』にピンで出場予定だそう。冬の団体戦『NOROSHI』で優勝すれば、前人未到の「二人で三冠達成」が叶う。

2020年『M-1グランプリ』優勝の「マヂカルラブリー」村上(法政大学お笑いサークルHOS出身)など、学生芸人からプロに進み結果を残す者が増えてきている。今回の『大学芸会』でMCを務めた「さすらいラビー」をはじめ、ライブシーンをにぎわす芸人たちにも学生芸人出身者は多い。『さらば青春の光 東ブクロの学生芸人YOAKEMAE』(ラジオ関西)や『大学お笑いMONSTERS』(テレビ東京)といった「学生芸人」に焦点を当てた番組が誕生しているほか、『アメトーーク!』(テレビ朝日)で「大学お笑いサークル芸人」が放送(2021年6月10日)されるなど、メディアで取り上げられる機会も激増。その注目度の高さがうかがえる。いつかこの中からスターが生まれるかもしれない、と思いながら大学お笑いに触れてみてはいかがだろうか。

(取材・文=WLUCK PARK・堀越愛)