“逆シンデレラ”物語としても話題の『マリー・ミー』。今作を、映画をこよなく愛するラジオパーソナリティー・増井孝子さんが解説します。

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 つい先日、実生活で、あのベン・アフレックと2度目の婚約をしたというニュースが飛び込んできたジェニファー・ロペス。二人は、2003年公開の映画『ジーリ』での共演をきっかけに愛を深めたのだが、この映画は大コケ。二人揃って、その年のラジー賞(アカデミー賞の授賞式の前夜に“最低”の映画を選んで表彰するもの)を受賞する羽目に。それでも、250万ドルともいわれる6.1カラットのピンクダイヤモンドの指輪を贈られ、2002年11月に婚約。2003年9月には結婚する予定だった。ところが、なんと挙式3日前に式を延期したのち婚約を解消。その後、それぞれ別の人と結婚して、子どもももうけた。

 恋多き女性、ジェニファー・ロペス。3度の結婚を経験、何人もの男性と浮名を流し、つい最近も2019年に元ニューヨークヤンキースのアレックス・ロドリゲスと婚約したものの、コロナのせいでイタリアでの式が挙げられず、結局別れることになってしまったと話題になったばかりのこの時期に、まさかの元カレとの復縁!? ……という彼女が、主演・製作も手掛けたロマンティック・コメディが、この『マリー・ミー』だ。ボビー・クロスビーの同名のグラフィック・ノベルが原作で、監督は『ウソはホントの恋のはじまり』(2013年)などのカット・コイロ。

「マリー・ミー」というデュエット曲が大ヒット中のキャット・バルデス(ジェニファー・ロペス)とバスティアン(マルーマ)は、全世界に配信もされるコンサートで、実際の結婚式を挙げようと計画していた。

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 まさに、その幕が開く直前。ネットにあがったバスティアンが浮気している証拠写真を見てしまったキャット。さぁ〜、どうする? ゴージャスなウエディングドレスに身を包んだキャット。二人の愛の誓いを見守る観客は世界中に2000万人もいるのに。

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 そこでキャットがとっさにとった行動は、なんと……! 客席にいた、さえない男性へのいきなりのプロポーズ。“Marry Me”と書いたプラカードを掲げるバツイチの高校の数学教師、チャーリー・ギルバート(オーウェン・ウィルソン)を指名し、彼と結婚すると宣言した。

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 チャーリーは、娘のルー(クロエ・コールマン)と同僚のパーカー(サラ・シルヴァーマン)に強引にコンサートに連れてこられただけで、彼にとってはまさに青天の霹靂だった。大混乱の中、なんとも奇妙な結婚生活が始まるが、いきなり離婚の噂が噴出するなど前途は多難。スーパースターと平凡なシングルファーザーとのギャップ婚の行方は…?

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 2000年代前半の『ウエディング・プランナー』(2001年)や『Shall we Dance?』(2004年)などの、ロマコメ作品でのキュートな彼女が好きなファンには「お待たせしました!」の作品。50代にしてのロマコメへのカムバックは、実に素晴らしい。『プリティ・ウーマン』(1990年)や『ノッティングヒルの恋人』(1999年)、あるいは『ローマの休日』(1953年)や『ニューヨークの恋人』(2001年)……普通なら考えられないようなカップルの、おとぎ話のような恋にキュンキュンしたことのあるヒトならきっと気に入るストーリー。

 今回は、映画製作と同時に、映画のためのアルバム制作も行い、それがサントラ盤になるという豪華さ。タイトルにもなっている「Marry Me」や、人生そのものといってもいい曲「On My Way」など、聴きもののナンバーのオンパレードだ。ラテンミュージック界のスーパースター、マルーマのスクリーンデビューも成功だし、超大作からインディペンデント作品まで引っ張りだこのオーウェン・ウィルソンもいい味を出している。

 そしてジェニファー・ロペス。歌手で女優で、自身ブランドの香水やアパレルのプロデューサーでもあり、2018年にはアメリカの『TIME』誌が発表した“世界で最も影響力のある100人”にも選ばれたは彼女は、さすがの貫禄。歌、ダンス、ファッション…見どころも多いうえに、愛や結婚についてもちょっと考えさせられる、楽しい作品なのだ!(増井孝子)

※ラジオ関西『ばんばひろふみ!ラジオdeショー!』、「おたかのシネマdeトーク」より