シンガーソングライターの川嶋あいがパーソナリティを務めるラジオ番組『明日への扉〜いのちのラジオ+〜』(ラジオ関西、毎月第1・2週日曜午後5時〜)。7月10日の放送では、前週に引き続き、日本デビュー50周年を迎えたアグネス・チャンさんがゲストに登場。ボランティア活動を通して得た経験や、つらい状況を乗り越えるためのアイデアを明かした。

 14歳のころ、香港で歌手としてデビューをしたアグネス・チャンさん。1972年に『ひなげしの花』で日本デビューを果たし、翌年には『草原の輝き』で日本歌謡大賞・新人賞、日本レコード大賞・新人賞を受賞し、トップアイドルとしての輝かしいキャリアをスタートさせた。現在では、日本のみならず、香港・台湾・アメリカでも音楽活動を行なっている。

 歌手としての活動のほか、数多くのボランティアやチャリティ活動も行っている。1998年には初代日本ユニセフ協会大使に就任し、アジアや中東を視察。エッセイスト、大学教授を務めるなど、文化人としても世界を舞台に活躍中だ。

 これまでに数多くのボランティア活動を行なってきたアグネスさんに、「印象に残っていることはありますか?」とたずねた川嶋。「(印象的な出来事が)たくさんありすぎて」と前置きをしつつ、「やっぱり戦地で生きる子どもたちが大変だと思います」とコメント。

 なかでも特に印象的だったのが、戦争により国民の約80%が無職となる事態に陥ったイラクを訪れたときのこと。偶然手元に財布がなかったアグネスさんに対し、子どもたちは「今日は無料でいいよ」と売り物である梨を手渡したという。その優しさに思わず涙したアグネスさんは、「『すごく困っている人がいつも一番優しい』という言葉をどこかで聞いたことがあるけれど、子どもたちの優しさに触れて、『絶対に幸せになってほしい』と強く感じた」と当時を思い返した。

 戦時下を生きる子どもたちは一体どのように感じているのか、直接話を聞く機会もあったそう。南スーダン共和国など戦争が長く続いている国の子どもたちは、“普通の生活”も“平和”も“お腹がいっぱいになるということ”も、何も知らない。それでも無邪気な姿を見せる子どもたちに、アグネスさんは「(その)あどけなさがよけいに悲しい」と言葉を漏らした。

 この事実に、「私たちは戦争を知らないというのに、平和を知らない子どもたちがいるんですね…」とショックを隠せない様子の川嶋。アグネスさんが目の当たりにしてきた悲惨な状況一つひとつにしっかりと耳を傾け、「戦争というものは、なにひとつ良い結果をもたらさない」というアグネスさんの言葉にも大きくうなずいた。

 川嶋が投げかけた「人生で最もつらかった経験とは?」という問いに、アグネスさんはこのように答えた。

「父が亡くなったときや、自身が乳がんになったときはつらかったりもしたけれど、過ぎてしまえば勉強のためのワンステップとして捉えられるようになる。(つらい経験も)人生の一部だと思えるようになった。経験してきたことに感謝したい」(アグネスさん)

 力強くも優しい声で語るアグネスさんの言葉の数々に、感動しきりの川嶋。苦しい状況に直面している人たちに向けて贈られた「つらいときには、愛することを思い出してほしい。自分の愛する力を信じて!」というメッセージにも、「確かに、愛する力があればがんばれますね」と賛同した。